NHK DVD「日本の話芸」特撰集 -ことば一筋、話芸の名手たちの競演会- 落語編二
さまざまな芸人たちの多彩な創意と工夫によって培われた話芸が楽しめるTV番組「日本の話芸」の落語編第2巻。二代目 桂文朝による「紙入れ」、三笑亭夢楽による「三方一両損」、十代目 桂文治による「禁酒番屋」ほか、4演目を収録。
桂文朝の『紙入れ』は、江戸町人らしい語り口とこっけいさが持ち味ですが、ややゆっくりした話し方のためか、新吉があまり若い男に聴こえないのが難。
「わたしは春風亭柳昇といいまして、大きなことを言うようですが、今や春風亭柳昇と言えば我が国では、わたし一人でございます。」で始まる柳昇の『与太郎戦記』が個人的には一番すきです。パッケージの「涙と笑いの戦闘記」というのは本当です。私はこの噺はこのDVDで初めて聴きましたが、感動しました。淡々とやさしい顔で、人によっては戦友以外とは語りたくないような戦争の話を落語ならではの味付けとストーリー編集で笑わせてくれますし、ご自身の指のことにも触れながらも女性看護士へ恋心を抱くエピードで終えるなど、陰気なところは少しもありません。若い人に見せるのもいいし、肉親を戦争で亡くした人が見て戦死者のことを憶うのもいいでしょう。おかしくて笑える話なんですが、傷痍軍人でもあった春風亭柳昇自身が語っていたこの噺、じーんときます。
三笑亭夢楽の『三方一両損』は新宿末廣亭での収録。画面を見ると客席の真ん中に通路があったようです。画質はいいのですが、なぜか音が小さめ。夢楽の江戸っ子もチャキチャキしていてすごくいいのですが、役の演じ分け、役による話し方のバリエーションが広くて圧倒的です。また、風景や歴史的背景の説明も実に丁寧。落ち着いてイヤミの無い古典落語の手本とも呼びたくなるような一席ですが、登場人物が本当に活き良く生きています。
桂文治の『禁酒番屋』がいい。実によく通る声による役の演じ分けもいいのですが、顔を含めた全身を使った芝居っ気たっぷりの熱演がテレビ向けでもあるので、高座の雰囲気がよく伝わってきます。演技という面では高度なことをしているようにも見えるのですが、頭で考えているようなところが微塵も無く、自然に演じているおおらかさは、なんとも言えない味です。小柄な体型ですが、自分の寸法を知り尽くした上での「芝居っ気」と「間」の入れ方が、すばらしい。
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