平成狸合戦ぽんぽこ [DVD]

平成狸合戦ぽんぽこ [DVD]
ジブリがいっぱいCOLLECTION
『平成狸合戦ぽんぽこ』

<ストーリー>
自然の恵み豊かな多摩丘陵。そこでのんびり暮らしていたタヌキたちの間に、餌場を巡る争いが起こる。調べてみると、餌場の激減は、人間たちによる宅地造成が原因だと分かる。こんな争いをしている場合じゃない!このままだと、餌どころか住む所すらなくなってしまう。ここに丘陵のタヌキたちの大会議が持たれ、開発阻止を決議。人間たちに立ち向かうため、まず茶釜やだるまなど簡単に化けられるものから始められ、お地蔵さんや招き猫など次々と難しい課題へ移行していき、総仕上げは、人間に化けて街に繰り出す街頭演習。タヌキたちの特訓のかたわら、宅地造成は着々と進められていた。いよいよ卒業テストに合格した若手タヌキたちの人間撃退作戦が開始される。大木に扮してトラックを妨害したり、ダンプを“八畳敷き”で目隠しして転落させたり…。タヌキのせいとは知らない人間たちは「開発のありかたに疑問」と報道、束の間、タヌキは大喜びする。その一方、四国や佐渡に住む長老たちの援軍も仰ぐために使者が差し向けられた。緒戦の成果に力を得たタヌキたちは、化け学を駆使したゲリラ作戦を展開。ところが新興住宅地で続発する怪事件は、面白可笑しく報道されるばかりで、開発阻止にはほとんど効果がない。焦りが広がる中、待ちに待った長老たちが到着した。三長老は、化け学の粋をこらした“妖怪大作戦”の発動を宣言。これにより人間たちの間にタヌキに対する尊敬と畏怖の念を蘇らせ、ひいては開発を中止に追い込もうと目論むが、しかし、人間たちの図太さは想像をはるかに超えていた。最初のうちこそ驚いたものの、途中からはおばけ屋敷さながらの大変化に喜び出す始末。あまつさえ、レジャーランドの宣伝に利用されるに及び、タヌキたちの間に、次第に落胆と自暴自棄の気分が広まっていくが…。

<映像特典>
●絵コンテ
●予告編集
●特別語りおろし 古今亭志ん朝/落語「狸賽(たぬさい)」

開発されていく多摩丘陵で、人間に追われていくタヌキたちが、ばけ学を駆使して、人間達に対抗していく話。タヌキに置き換わっているが、当然、高度成長社会に対する警鐘になっている話と考える。社会的な意味はさておき、純和風で、当時の雰囲気が良く出ていて、何となく懐かしい感じがします。また、タヌキが化けるという土着的な感じもいいです。タヌキのばけっぷりは、制作者の創造力のたまもので、美的に素晴らしかったと思います。

この作品は小さい頃何度か観て、とても大好きな作品でした。
こんな狸たちがいればいいのになんて思っていました。
けれど、大人になった今このDVDを買って観たところ、
動物と人間が共存することの難しさを知りました。
愉快なのに、楽しいのに、寂しい。
最後のとあるキャラクターの言葉は忘れられません。
勝手に消える動物なんていないんです。
1人でも多くの人に観てもらいたい映画です。本当に。

この作品に関して、自然破壊をテーマとしているが内容が浅いという批判をよく目にします。
しかし、この作品の本質的なテーマは自然破壊ではありません。

狸達は、義理と人情に生きていた時代の日本人の比喩であり、都市開発を進める人間達は近代資本主義の象徴として描かれています。

自己中心的で拡大主義の人間に、牧歌的な暮らしをしていた狸達の土地が奪われてしまう。
悲しいかな、敵であるはずの人間の空家に住み、人間の食べ残しを拝借して生き延びる狸達。
追い詰められた狸達はなんとか対抗しようとするが、甘さの抜けきらない狸の計略など人間の前では子供だまし同然、さらにはいいように利用されてしまう始末である。決死の玉砕も虚しくあっさり敗れ去ってしまう。
結局、居住区の片隅で野良狸となるか、狸本来のアイデンティティをひた隠しにして人間に同化するしか生き延びる方策はない。

テーマ曲『アジアのこの街で』の街とは日本の事であり、狸達の世界の事である。江戸時代から続く義理と人情の価値観が、西欧からやってきた資本主義の前にあっけなく失われていく様を哀愁や切なさ、時に滑稽さを交えて見事に描き切っている。「おかしくも、やがて哀しき狸かな」とはまさにそれを表現した一言だ。

この作品の素晴らしい点は、人間に対して狸達が決して清廉潔白な存在として描かれていないところだ。
彼らは彼らで、狸同士土地を奪い合っていたし、中には全ての人間を殺してしまえと息巻く狸もいる。
人間を殺して追悼の格好をしてみても、嬉しさ余って踊り出す始末。
化学全盛の江戸時代には、弱い立場の者をイタズラして虐めていた事もあった。

善悪でなく、ただ現実的に、「義理人情」と「近代資本主義」の対峙を描いている。
その中で、高畑氏は、非力だが牧歌的な日々を気ままに謳歌する狸達の社会を「こんな時代もあったよねえ」とその駄目な部分も含め、愛情と懐かしさをもって語りかけているように思われる。

狸達は、享楽的でお調子者、人が良くて甘ちゃんな所がある。しかし、それ故の情けなさも、三代目古今亭志ん朝をはじめとする落語家たちの語りによって、古典落語さながら、あたたかさをもって面白可笑しく、そして哀愁にみちて許容的に描かれるのである。

高畑勲監督は、『火垂るの墓』においてもそうだが、西欧に対する日本人の立場と心情を描くのが非常に上手い。
普通ならば対立するテーマを扱った作品でさえ、日本に限らず海外でも人気なのは、日本側を正しく・相手側を間違ったものとして論理を展開するのではなく、また、客観的に両者を見て善悪を判断しているからでもない。
それが可能なのは、日本側の情に寄り添い哀愁をもって描くことで、頭ではなく心に訴えかける作品になっているからである。

最後に本作のレビューとは話がそれるが、ジブリ好きで知られるピクサーの作品と対照的なのは、まさにその「情と論理」の部分であると思う。
ピクサー作品は、選択を迫られる論理展開の中で「そうだ、それが正しい」という決断を勇気をもってとっていくことが醍醐味であると思う。ディベートの国らしく、理にかなった意見にみんながついて行く。情に訴えかけるのではなく、論理によって納得を勝ち取る、といった感じだろうか。
異なるアイデンティティーをもった両者が互いを認め合うこと。それぞれの価値観を魅力的に表現しているところが素晴らしいと思う。

... 続きを読む

コミカルなタヌキ達が人間の土地開発に巻き込まれていく様が面白い

それにしても想像してた内容と全然違って驚きました... 続きを読む

... 続きを読む

劇場で観て以来、何度も観ていますが、人間に対抗するタヌキたちの目線で描かれているので、観るたびに複雑な気持ちになります。演出や作画、音楽や声優など素晴らしく、楽し... 続きを読む

スタジオジブリ作品。1994年上映。
高畑勲監督の映画だ。... 続きを読む

個人的に環境破壊問題を取り上げただけの、ありきたりの寓話アニメでしかないと思います。
絵は流石ジブリですが・・。

たぬきが出てきて、踊ったり暴れたり、化けて妖怪になったりなれなかったり、子供が楽しめる映画だと思います。... 続きを読む

多摩ニュータウンの開発により住処を著しく狭められた狸たちが、
「化学(ばけがく)」を駆使して人間に反抗する様を描いた作品である。... 続きを読む

よく周囲の人は
「考えさせられる映画」なんて言いますが
結局はそう思うだけで何もしないし... 続きを読む

この作品が題材としているのは、高度経済成長期の大規模住宅開発です。経済的発展のためあるいは土地の商業的利用のために環境に負荷をかけ過ぎ、人間は思いがけない事故に遭... 続きを読む

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