大東亜戦争と国際裁判 [DVD]

大東亜戦争と国際裁判 [DVD]
   昭和16年秋、対米戦の危機に見舞われた日本は、アメリカからハルノートを提示されて交渉決裂。東條英機総理大臣(嵐寛寿郎)は戦争の決意を固め、12月8日の真珠湾奇襲によって太平洋戦争が始まった。やがて昭和20年8月15日、日本は敗戦。米軍が進駐し、東京にてA級戦犯を裁く極東国際軍事裁判が開催される……。開戦時の首相・東條英機を主軸に、太平洋戦争と東京裁判の全貌を描いた戦争大作。前半では戦争の流れを、その後は東京裁判の真相を、それぞれ日本を肯定した立場から作られているのは、戦後10余年にして驚きの内容ではあるが、東京裁判がいかに勝者の論理で塗り固められたものであったかを堂々と描いている点は認めてよく、意外と史実にもかなり忠実ではある。東條もここでは実直な悲劇の人物として描かれているが、アラカンが演じているのだから、そういった印象になって当然であろう。企画としての思想に異を唱える向きはあるだろうが、映画としての堂々たる姿勢には敬意を払いたい秀作。監督は新東宝戦記映画の雄・小森白で、これは間違いなく彼の代表作のひとつである。(増當竜也)

まず、「東京裁判」結審からわずか10年後、無罪放免あるいは保釈された元「戦犯」の方々やご遺族が大勢存命されている頃の1959(昭和34)年に、この作品が製作されたことに驚かされる。確かに低予算で作られていることは画面から窺えるが、それが何程のものか。これほど見事に日本側の立場から見た東京裁判を描ききった作品はまずないだろう。
前半部では大東亜戦争開戦に至る経緯がコンパクトにまとめられている。戦場を描くことは本作の主題ではないため描写は少ないが、実際の映像とモノクロで撮影された映像とがうまく組み合わされ、映像にリアリティを持たせることに成功している。
後半部は「東京裁判」の法廷に移る。開廷前には、日本人弁護団の間で国家弁護か個人弁護かで論争が繰り広げられるが、このやりとりも一見の価値がある。法廷内では弁護団と検事団との緊迫感のあるやりとりが展開され、とかく退屈になりがちな法廷シーンを飽きることなく見ることができる。法廷で実際になされた尋問や弁護人、検事、裁判長、証人らの発言も上手に取捨選択されていて、考証面も申し分ない。
また、それぞれの役を演じる俳優がとてもよく似ている。中でも東條英機、近衛文麿、廣田弘毅、木戸幸一、重光葵、ラダ・ビノート・パールは特筆に価する。

 東京裁判を描いた映画は少ない。小林正樹監督のドキュメンタリー映画は別格である。
 劇映画としては、本作と「プライド」が有る。
 「プライド」はスポンサーの意図による、意図的で余計な描写が多かったのに対して、本作の方は淡々と、あっさり描いている。ただ、「プライド」では清瀬弁護人と東条英機とのやりとりが描かれていて(同作で最も評価できる部分である)、本作では描かれていないのが残念である。
 小森白監督の演出は上手くはないが、「プライド」の伊藤俊也監督ほど下手ではない。
 役者も本作の方がずっと良い。特に、清瀬弁護人を演じた佐々木孝丸の堂々たる演技力は、大分やりすぎの感はあるが、素晴らしい。本物には「プライド」の奥田瑛二の方が似ていると思う。
 その反面、ウエッブ裁判長は良く描かれすぎであるし、キーナン検事は素人くさくて下手である。

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