ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳 [DVD]
★戦後66年、現場の最前線でシャッターを切り続ける“伝説"の報道写真家・福島菊次郎に迫るドキュメンタリー。
★「第86回 キネマ旬報ベスト・テン 文化映画第1位」「第67回 毎日映画コンクール ドキュメンタリー映画賞」「2012年 日本映画ペンクラブ 文化映画ベスト1」三冠を達成!
★朗読を担当したのは俳優、大杉漣。撮影は是枝裕和監督作品や河瀬直美監督作品を手がける名キャメラマン山崎裕。「フタバから遠く離れて」のプロデューサー橋本佳子をはじめ、数々の名作を発表しつづける映画界の実力者たちが結集!
「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまない…」
報道写真家として撮影した写真は25万枚以上。ヒロシマ、学生運動、三里塚闘争、自衛隊、公害、祝島、原発、そしてフクシマ…。
現場の最前線で「嘘っぱちのニッポン」を暴き続けて来た“反骨"の報道写真家 福島菊次郎90歳。 「国の世話にならん」と年金を拒否、自らの原稿料だけで生計を立て、相棒犬ロクとの気ままな二人暮らし。
その人生と写真が語る、私たちが知らなかった真の日本の姿とは…。
■福島菊次郎(フクシマ キクジロウ)
1921年生まれ。報道写真家。66年の報道写真家生活で 6000点以上をメディアに発表し、フォト・ジャーナリズム界の第一線で活躍。12冊の写真集を出版し、写真展は600回以上を開催する。1960年 「ピカドンある原爆被災者の記録」で日本写真批評家協会賞特別賞を受賞。写真家として評価は高く、国立近代美術館、東京都写真美術館などに収録されている。80歳より「写らなかった戦後」シリーズ(現代人文社刊)を執筆中。
劇場で本作を二回見た。
一度目は首都圏の映画館で、二度目は故郷の幼馴染と一緒に。
私は福島氏と同じ山口県の出身である。
言わずと知れた自民党王国であり、日本で最も保守的といってもよい土地。
既得権益を得た者だけが益々肥え太る構造が何百年も変わらないあの田舎。
数多の差別もいまだに根強い所だ。
映画のタイトルにもなっている「ニッポンの嘘」のすべてが集約したような所である。
(私の祖父も福島氏同様、特攻の生き残りだが、戦後は警察官となったので、
福島氏とはまったく真逆の道を歩んで、おそらくはヌクヌクと暮らしていたのだろうか・・・。)
そんな超保守的な土地で福島氏が嘗めた辛酸の数々は映画の中でも語られている。
あの土地や近辺地域の特性を知っている者にとっては、世間や体制側が福島氏に行なった
嫌がらせの数々や手法も「そうそう、あるある。」と思えるものばかりである。
恥ずかしいことだが。
上京後、報道写真家として名が知られると、福島氏への攻撃は一層激しくなる。
この映画を観て一番納得したこと、それは「義を貫く人は決して裕福にはならないし、
肥え太りもしない。」ということである。
美辞麗句や理想論を並べ立てても、中身や行動が伴わず筋が通っていない者は
所詮だらしない贅肉にまみれてゆき醜態を晒すだけなのである。
日本では、激しい憤怒を「遺憾」という言葉で済ませる向きがある。
その表現を借りて言うならば、誠に遺憾ながら、福島氏が訴え続けていることのほとんどは、
日本がアメリカと同盟関係を続ける限りは絶対に解決しないことだし、それ以前に
日本という国の成り立ちから覆さねばどうにもならないようなことばかりである。
たとえ彼が命をかけ、生涯をかけて叫び続けても、日本が資源にも何も困らない状態で
永世中立国にでもなるか、またはこの国自体が解体でもされない限り、無理だ。
無念だけど。
日本が変わるのは、いつも外圧によってであり、内側から変わったことは無い。
「民主主義」すら民衆が勝ち取ったものではなく、アメリカからポンと押しつけられた程だ。
それでも日本という存在自体の欺瞞・嘘を暴いてしっかりと記録し、後世に伝えて下さっている
福島氏と、この映画を撮ってくださった方々には感謝を捧げたい。
福島氏のお弟子さんである那須氏も、まだまだ大変な日々が続くとは思うが、彼女が追い続けている
中国電力の上関原発建設だけは何とか中止に!と、故郷を遠く離れた身ながら、願う次第である。
福島菊次郎、90歳。
日本の戦後、高度経済成長期の裏側で起こっていた様々な国家の不条理な暴力を撮り続けた報道カメラマン、徹底して反骨の人である。
自分が、福島の作品を初めて手にしたのは、80年代前半の大学時代。
時代は、三無主義からポストモダン、明るい軽薄の時代へと移行し、キャンパス内は、コンパと青田刈りが花盛りであったが、「戦後の若者たち」と名付けられたその写真集は、そんなお気楽さとは隔絶した生真面目さと高揚感、怒りと悲しみに満ち溢れていた。
あれから30年、時代は大きく変貌すれども、その信念は、今も微塵も変わる事はない。
今作は、伝説の人福島菊次郎の今なお萎える事ないその仕事ぶりと人間性に迫ったドキュメンタリー。
今年の毎日映画コンクールやキネマ旬報でも受賞した作品である。
冒頭、整然と続く反原発デモの中、それを規制する警察官たちの顔を正面からまどろみもなくファインダーを合わせ、毅然とシャッターを切り続ける小柄でひょうひようとしたその屹立した姿に、思想的信条は措いて、まずは畏敬を覚える。
“中立”の立場で撮る事を良しとしない、それでは良いものが撮れないし、伝えなくてはいけない事が撮れなくなるとの信条は明晰。
国家を攻撃している自分が、国の保護を受ける訳にはいかないと年金を拒否するのも、いかにもこの人らしい。
「原爆と人間の記録」、「ピカドン」、「ガス弾のすき間から」、「戦場からの報告・三里塚」、「自衛隊と兵器産業を告発する」、、、。
その代表作の夥しい写真の数々がインサートされ、大杉漣のナレーションが被るそのワンショット、ワンショットが、如実に、被写体たちの無念の思いを物語り、人間の良心とは何かと訴え、国家が犯してきた過ちを告発する。
国家の為に死のうと決心し、どうせ死ぬなら敵兵を50人くらい殺して手柄を立てたいと感じていた軍国少年は、田舎町での時計屋稼業から60年安保を契機に上京、反体制運動の波に洗われた事で、戦争の実態と自らの青年時代がどんなに無知で惨めなものであったかを思い知らされ、戦後世代に何を問いかけ、自分の子供たちをどう育ててゆかねばならないかを痛感する、、、。
戦後の繁栄する日本に於いて、蹂躙され、忘れ去られようとする日本の戦後史の断片。
さらに、誠実な営みを続けていた原爆スラムを差別した平和都市ヒロシマの嘘や天皇の戦争責任にも踏み込んでいくそのカメラ・アイは容赦ない。
そして、それは、2013年のフクシマへと繋がっていくのだ。
憲法改正が世論を二分し、9条改正についても是とする声が高まっている中、憲法の理念が、かって国家によって踏みにじられていた事、そして、今日、その動きが、いかに危うい側面を持っているかを、否応なしに考えさせられる作品となっている。
東京で3回映画を鑑賞。強く印象に残ったので、DVDを購入しました。
報道写真家 福島菊次郎さん。現在は92歳。視力低下のため、写真撮影はもう難しいそうです。それでも、次世代に残すため、「写らなかった戦後」シリーズを執筆・出版(「ヒロシマの嘘」「菊次郎の海」「殺すな、殺されるな」)。現在も執筆を続けていらっしゃるそうです。
初めてこの映画を観たときは、衝撃の一言でした。「問題自体が法を侵したものであれば、カメラマンは法を侵しても構わない」「表に出ないものを表に引っ張り出して、叩きつけてやりたい」「根源的なものでいえば、日本全体が嘘っぱち」広島を原点とし、一貫して国家権力の暴力と不正を糾弾し続けた人生から出る言葉は、どれも重く響きます。
恥ずかしながら、この映画を観るまで、原爆スラムの存在も、人権を無視したABCCの原爆被害調査(強引ともいえる被爆者遺体の収集、解剖、臓器採取)も、祝島の反原発運動も知りませんでした。本質的な問題は隠蔽され、被害者の声も封殺されることが多い。真実を追求することの困難さと大切さについて、考えさせられます。
福島菊次郎さんが追求してきた内容は、広島と被爆者、祝島、戦争遺族、公害、兵器産業、天皇責任問題、ウーマンリブ、三里塚闘争、安保闘争、福島原発事故と、多岐に渡ります。スクリーンの中の福島菊次郎さんと、写真の数々が、戦後日本を映し出しています。ニッポンを考える上で、必見の映画です。
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