
スヴェトラーナ・ザハーロワ マリインスキー劇場のスターたち7 [DVD]
ロシアの著名な評論家、ガリーナ・ムシャンスカヤがマリインスキー劇場のロイヤル・ボックス(貴賓席)にダンサーを招いて贈るシリーズ。
スヴェトラーナ・ザハーロワは17歳でマリインスキー・バレエに入団。
瞬く間にプリンシパルとなり、総監督のゲルギエフに「バレエ界に大きな足跡を残すダンサー」といわれたバレリーナです。
その後ボリショイ・バレエに移籍し、世界中のカンパニーから招聘されるなど、その人気は絶大。
当時まだ19歳の初々しいザハーロワのインタビューと、多くの舞台映像で描きます!
<出演>
スヴェトラーナ・ザハーロワ
ガリーナ・ムシャンスカヤ(インタビュアー)
ワレリー・ゲルギエフ
オリガ・モイセーエワ
マハル・ワジーエフ
リュドミラ・クルチナ(画家)
ほか マリインスキー・バレエ
<収録作品(部分)>
『ショパニアーナ』より
『眠れる森の美女』第1幕、第4幕より
『白鳥の湖』第2幕、第3幕より
『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』より
『バフチサライの泉』より
『ラ・バヤデール』より
『ジゼル』第1幕、第2幕より
『法悦の詩』より
『セレナーデ』より
ほか
*この作品は「ロイヤル・ボックス」としてテレビ放送されたもので、字幕は当時のものを使用しています。
*オリジナルの状態により映像や音声の劣化および乱れが見られる部分があります。あらかじめご了承ください。
有名な?ロシアのアナウンサーとバレリーナが貴賓席で会話しながら舞台を振り返り、どうしてこの世界に入ったのか?という質問をしたあとに、サプライズプレゼントが渡されて終わります。
1回39分という大変短い設定で、BS放送用に仕立て上げたようです。
私は、ザハロワ、ロパートキナを観ました。
ロパートキナは23歳。まだザハロワがコールドあたり?だったのでしょうか。ロシア一番のバレリーナとして賞賛を浴びていました。「瀕死の白鳥」は彼女の代名詞になってきていますが、最初はとても苦労して「アンナ・パヴロワ」を観て練習を決めたこと、バレリーナよりも陶器への絵描きがしたかった。とも語っていました。そして、踊りの上では「いつも大人しい役でみんなから「ブルー」呼ばわりされていたのが辛かった。もっと明るい演目を踊りたいと希望しても、返事はいつも希望していない“ブルー”な役ばかりだった」と打ち明けています。
でも、ある芸術家に会うことがあり「もしかしたら」と期待していたら再び静かな役が回り、彼女が直訴したら「内に秘めた熱い感情が分かったからだ」と理由を言われ、不思議とそれの役をしてからは「ブルー」とは言われなくなったとか。
昔のバレリーナは花形職業と言われていたので(実際は知りませんが)他にも俳優さんがインタビューで彼女を褒めていました。
細切れですが、ジゼル・白鳥の湖・セレナーデ等がチラホラ出てきます。パヴロワも一瞬だけ映像が出ています。
ロパートキナは海に癒されるようで、考えや想いが煮詰まった時、海にもぐりたくなる。と苦労を打ち明けています。
ザハロハのほうは、これより1年後です。当時19歳、入団2年目。
母親がバレリーナにしたくて、イルクーツクから出てきていきなり入団テストを受けたといっていました。
インタビューのあと、初お披露目公演だったようです。「黒鳥のバ・ド・ドゥ」のみの登場だったようです。
その練習風景で、最後の決めるピルエットが上手くバランスが続かずに、何度も失敗する姿が出ています。
床に座り込み、立ち上がっても師事から「休みたいの?」と聴かれると、少しだけ涙ぐんだ目で「違う」と首を振り、「また倒れそうで怖い」と何度も失敗していました。その後の恩師のインタビューで「彼女は表現できる長い手足に恵まれている。でもそれは見た目の美しさでしか役には立たないのです。表現力を出してこそが人を感動させられるのです」と話していました。その師事を受けているザハロワも踊りの仕上げにはとてもこだわっています。
このインタビューでは「例えばオディールは、魅惑・誘惑的に踊ると決め手から踊るの」といいます。
他の「ミューズたち」でも、自分は引っ込み屋だけれども、バレエを踊る時だけ積極的に開放される。といっています。きっとバレエ学校に入った頃、「田舎からやってきた少女」ということでジロジロ見られたという経験がそうなったのでしょう。
ロパートキナもザハロワも「寮からは出たい。一人になりたい。海に頭から埋もれたい時がある」と答えています。
ミューズのほうでは、「白鳥の湖」での第2幕で王子との手の取り方で、ザハロワが「この位置からだと腕が引っ張り上げられている状態のようで嫌だ」「このテンポでは踊れない」と様々な指示を出しています。
呆れた振付家が「あれは遅い」というと「じゃあ、早くするわよ!」と絶対に譲らない様子。
ちょっと聴けば、「なんだ???えらそうなバレリーナだな」になりますが、それだけザハロワは踊りの一つ一つに常に魂を込めて踊るあまりに、こだわりも凄いのだと私は感じました。
良く観れば、ボッレとの時にも、左手を取ってもらわずに、一人で立ち上がっています。(徹底してます)
他にも、他のバレリーナではきっとごまかすような内情もサラリと打ち明けてしまっていたりなど、飾らないザハロワの性格がよく分かります。ロバートキナは23歳でもう大人ですから、落ち着いた口調で当たり障りのない回答を繰り返していました。
挿入バレエで、二人が並んで踊る「水晶宮」や、若い頃のオーロラ姫、ロパートキナのジゼルなどが出てきたので、こういう映像があるのであれば、小出しにせずに一気にDVDにして欲しいと感じました。
逆に良かったのは、小出しなのでこちらの感情が入りきっていないので、客観的に二人を比べることが出来るので、同じ演目なら特に、「こう踊るから急いで見えてしまうんだな」「こうするから優雅さが増すんだな」といい比較が出来ました。なので、映像が短いのも、そういうのでは良かったと思います。
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