Amelia [Blu-ray] [Import]
This dance film is directed and choreographed by Edouard Lock and performed by the La La La Human Steps dance company to music by David Lang. Lock uses intricate choreography for both camera and dancers, creating amazing and constantly shifting points of
舞台装置
撮影スタジオを思わせる、4辺の床と壁を大きな局面によって構成する独特の舞台セット。表面は集成材のような木材を張り合わせたように見える方向性を持ったテクスチャーが配してある。境界を明確にせず、視点を天井から見下ろす上面からのビューでは、正方形の床と壁がシームレスにつなぎ合わさり、無限に広がる平面のように感じられる。
映像をみる限りどの壁にも出入り口のようなものは無く、完全に閉鎖された空間のようだ。ライティングもダンスにあわせてダイナミックに変わるが、(1シーンを除いて)照明器具が見える場所に配置されることは無い。ダンサーも複数人が入れ替わるが、どこからやってきてどこへ消えるのかをあえて明確にせず、現実世界から切り取られた時間と空間の神秘的な絶対性を冗長させている。
カメラの視点は頻繁に切り替わり、ダンサーの動きやライティングによる環境の変化とあわせた演出は見事にうまくいっている。ダンスとは踊りという身体の動きによってのみ表現を行うものだと思っていたが、映像の中では、ダンサーの顔、特に眼をアップにするシーンもあり、(非常に意外だが)ダンサーが笑う、怒るなどの表情が時折みえる。
AMELIAは(DVDでは)14のパートに分かれており、都度ダンサーが入れ替わるが、男女の対になるダンサーの姿を通じて両者(だが必ずしも人間同士ではない)の関係性の断片を一貫して表現しているように思われる。
操作と対立と調和
最初のシーンでは男によって従属させられ、消耗される女性ダンサー(MISTAYA HEMINGWAY)が現れる。男のわずかな手の動きによって延々と回り続ける女のダンサーにはある種の悲壮感すら漂うほどだ。力つきて倒れるシーンもあり操作する・されるという明らかな主従関係がみてとれる。男は黒いスーツを着、革靴をはいていて大きな動きを伴うことは無い。ただ女を踊らせる。女のダンサーは(ほぼ全編を通してだが)肩と足の太ももから先を露出した黒いシースルーのような衣装をきている。足にはトゥシューズを履き、非常に細かく早い動きで踊り続ける。男が手を離すと、糸が切れた操り人形のように動きが止まり、近づくとまた動き出す。
同様の主題と思われる次のシーンではANDREA BORDMANによって、彼らが単純な主従関係というよりも明らかな対立状態にあることが表現される。同じような動きをしているにもかかわらず、他のダンサーに比べANDREA BORDMANがずば抜けて秀でていることもあり、彼女のシーンの緊張感は見るものを圧倒する。これまで明らかな「主」としての操作的な動きから、女と対等にわたり合うことを強いられた男は、女と同様に消耗し、疲れ果て、さらには二人共々倒れ込んでしまう。動きに連関性はなく向かい合って互いが交互に打ち合うようなダンスを繰り広げるが、そこには絶対的な対立軸と緊張感が見事に表現されている。
操作と対立という過程を乗り越え、男と女のダンサーはついに調和することに成功する。彼らはこれまでと同じようにただ単純に「二人で踊っているだけ」だが、これまでのような「二人」という別々の人格としての表現ではなく、まるで手足が4本ずつある「一人」の人間が踊っているかのような協調性を見せつける。これは決して、ダンサー同士が重なったりもつれたりしているものでも、群舞のように全く同じ動きをしているものでもない。二人の体は触れることは無く、一定の距離を保ちつつ、それでもなお身体の一体性を表現できたところにこそ、この演目の価値があるように思う。動き始めのタイミング、テンポとリズムの一致を非常に巧く取り入れ、調和のシーンを表現したこの部分のみでも、見る価値がある。
これらを通じて表現されるものは、現代の男女の姿であると同時に、ÉDOUARD LOCK自身が創造性の本質に近づこうとして苦悩するその過程が描かれているように思う。彼自身"My intention was to create a film on dance without narrative or other extraneous story-telling devices."と語っているようにAMELIAには厳密なストーリーは無い。淡々と関係性の変化がシーケンシャルに表されているだけである。
この作品は、バレエのような様々に存在するダンスの形式から、ストーリーという最もオーディエンスにわかりやすい要素を消し去った。その上で、本質に近づこうとする思想の探求を、圧倒的な表現力で描き出し(て成功し)ている。
バレエに全く知識の無い私がNHKで放送されたのを見て目が離せなくなくなるくらいに引きつけられた作品。ピンと張りつめた空気に無機質に動く体。ダンサーの体のラインの美しさ。バレエのイメージを根底から覆し、まるで現代アートを見るよう。音楽も最高です。DVD化を待ち望んでいました。
ケベックを拠点にしたコンテポラリーダンス集団の映像作品。1980年設立以来しばらくルイーズ・ルカバリエという素敵にマッチョな天才女性ダンサーが振付家のミューズだったのだが、今回の作品には登場していない(引退したのかな)。
クラシックバレエ好きを自負しながら最近はクラシックのスタンダード作品を見て退屈していた。かといってコンテポラリーはパスだと思っていたのだが、本作品はド真剣に見入ってしまった。張り詰めた緊張感に目が離せなくなる。ダンサーの体形がこれほど美しいものかと久しぶりの感動を味わった。特に女性ダンサーたちのカッコ良さたるや。今風のバレリーナ体形のダンサーは数少ないのだが、漲る集中力と信念が体の隅々を美しく見せている。そうなのだ、いまのクラシックバレエは多様な体形美を提示しないのだ(と気が付いた)。そして、何年ぶりだろう、トゥシューズの作り出す形象美にこれほどワクワクしたのは。ここで踊るダンサーたちの姿は全て「勇姿」と形容していい。身振りひとつひとつ、目線から足先まで確信に満ちているという点で全員がシルヴィ・ギエム並みの気迫を放っている。舞台装置、音楽、カメラアングル、全て効果的で、まさに総合アートの世界。
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