あの頃映画 「家族」 [DVD]

あの頃映画 「家族」 [DVD]
新しい大地を求めて旅ゆく人々! あなたの心にはげしく迫る生きるよろこび・・・・・・・・・・・・・・

「あの頃映画 松竹DVDコレクション 第2シリーズ」 対象。お求めやすい価格\2,800(税抜)で登場!

長崎の南端に浮かぶ伊王島。この島で生まれ育ち、炭鉱で細々と暮らす風見精一・民子夫婦は、会社が閉山したことから北海道の開拓村に入殖することを決断した。老いた父と幼ない二人の子供を連れ、住みなれた島への愛惜と、前途への不安をおしての辛い旅立ちだった。長崎から博多、福山、万国博で賑わう大阪、東京、東北の寒村を経て根釧原野の開拓村まで日本列島3000キロの長旅。わずか数日の間に、想像も及ばぬ困難や悲しい事故に直面し、驚きと言いしれぬ焦燥感にせきたれられる家族。夫の決断、妻の勇気、老父の知恵が、愛児の死という危機をのり越えて、ついに目的地まにたどりつくまでの道程をドキュメント風に綴った名作。

ロードムービーというのは観光映画のことだったのか。これを観てようやくわかった。といっても内容は立派な人情物ですが。
始めのうちはこんな人の多い雑踏で子供と荷物を抱えて撮るのは役者もスタッフも大変だったろうと思い、おちおち観ていられ
なかったのだが、そう思わせるのがこの映画の1つのポイントだったんですね。ごみごみワサワサした都会から北海道に入って
からの開放感は素晴らしかった。途中で子供を亡くして沈んだ気分を引きずっていたのも1つの伏線か? 黒澤監督がよくやった
最後のどんでん返しの様な印象だが、こちらのほうが余程自然で好感が持てる。

いろいろな事情で親をタライ回しにする子供は小津作品によく使われたテーマだが、こういった所から核家族化が進んだのかも
知れない。映画にとっては格好のモチーフだがやりきれない話である。笠智衆がそのあわれな父親を淡々とした表情で好演して
いるのが涙をさそう。

何やってもうまい倍賞千恵子はここでも大車輪の活躍だが、映画の性格からかドキュメンタリーのように見えてしまって役者として
は若干損している様な気がしないでもない。もちろん名演技ですけど。まぁそれよりも旅行気分が味わえる観光映画としての価値
のほうも忘れたくない。懐かしい70年代風景は私を中学生時代に引き戻してくれる。函館の食堂で森進一の「港町ブルース」が
かかっていたのが旅愁にあふれていて良かった。

この頃の映画には今なくしてしまった何かがあって淡々と生活しているのが幸せだと気つかせてくれる

70年に九州長崎の伊王島を一家で出て列島を北上し北海道は中標津町の開拓草原にたどり着くまでの壮大なファミリーロードムービー。映画の中のお話とはいえ大阪万国博覧会見物の途次で生後まもない赤ちゃんを喪い、ようやくたどり着いた北の牧畜村で祖父が急死してしまうのが切ない。

笠智衆扮するその祖父をあずかれなかった長男の苦悩と悲しみはどこか小津の「東京物語」の遠い余波を感じさせるが、なんといっても高度成長まっただ中の本邦の実景に無言のインパクトが籠っている。

東日本大震災で世界中が日本人の素晴らしさを知った。その原点を感じることができる作品。

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