あの頃映画 「八つ墓村」 [DVD]

あの頃映画 「八つ墓村」 [DVD]
怨念が生む連続殺人事件!横溝文学の最高峰!!
神秘の鍾乳洞に展開する怪奇とロマンの世界

●「あの頃映画 松竹DVDコレクション」第5弾 まだまだあります、蔵出しムービーセレクション!
●『砂の器』の野村芳太郎が監督、橋本忍が脚本を手掛け、2年3か月、7億円をかけて製作された大作。
●劇中に登場するセリフ『祟りじゃ~!』は当時の流行語に。
●渥美清が金田一耕助役をつとめ、石坂版とは異なる人物像を演じ切った。


製作年 1977年


あの頃映画 松竹DVDコレクションとは?
映画会社松竹ならではの大作映画、こだわりの映画、良質映画の数々を、今だからリバイバル。名監督・名優たちが活躍したあの頃の映画を、ご自宅で気軽に楽しめるDVDコレクションとして、100本を超える充実のシリーズラインナップでお届けします。2011年11月より、5か月連続で展開中!

今まで見た中で最も恐かった映画は何か、という話題で盛り上がったことがあります。この『八つ墓村』をホラーにくくってしまうのは暴挙ですが、子どもの頃に地上波で見て、しばらくは夜恐くて1人で寝ることが出来ませんでした。私にとっては等身大の「最も恐かった映画」です。その場でも絶大な賛同を得ました。みんなあの落ち武者殺しや山崎努の殺人鬼、そして鍾乳洞での豹変・追いかけられるシーンを強烈に覚えていたのでした。
 この映画では推理小説としてのロジックな面は後退していると言えます。でも我々が金田一シリーズに持っている印象は、旧家の因襲と愛憎と「おどろおどろしい」事件の数々であり、この『八つ墓村』こそ最もそのイメージに近いものなのだと考えられます(当時あれほど怪奇趣味で喧伝された『犬神家の一族』は今見ると案外スマートな切れ味です)。戦国時代から続く怨念の輪廻。芥川氏による重厚な音楽もこの作品世界にぴったりです。
 主人公の辰弥の体験は当時の若者が求めて彷徨した「自分探しの旅」に他なりません。その結果日本の原風景とも言えるものに出会うのですが、同時にそのカタストロフィの現場をも目撃することになるのです(『悪霊島』での古尾谷雅人の役柄も同じです)。当時日本の各地で大小こそあれ同じ現象が起こっていたのではないでしょうか(田中角栄の「列島改造」論で日本中に高速道路が作られ出すのもこの頃)。この様な1970年代の若者こそが真の主役であり、映画館に訪れた人達が自己投影したのだと思うのです。賛否両論ある渥美清の金田一耕助ですが、私は何か刑事コロンボみたいなこの感じが、合理性で情念世界を切り分けるトリックスタートしての狂言廻し役を見事に演じていて、本来の姿のようにも思うのです。あの頃あれほどまでに横溝ブームが巻き起こったのはこんな時代の心象があったからなのです。もうこんな美しく恐ろしい映画は作られないでしょう。

私も小学生の時TVで見てトラウマを受けてしまった人間の一人です。何しろ2-3か月の間、夜一人で寝ることが出来ずに父親に添い寝してもらっていたくらいでした。 30過ぎになるまで,私はホラー映画が大嫌いで、ほとんど見ることがありませんでした(今はおくれを取り戻さんとばかりに結構見ていますが)。理由をいろいろ考えてみるに、どうもこの映画が原因だったのではないかと思います。恐い話はそれ以前から苦手だったのですが、今振り返ってみると、この映画が最初から最後まで見た初めてのホラー映画(ではないんでしょうが、私の中ではそうなっています)だったような気がします。免疫ほとんど0の状態で、初めて見た怖い映画がこれじゃあ、ホラーをその後見れなくなったのも無理はないでしょう。

ーで、20数年ぶりに友達と一緒にこの作品を見直しました。さすがに今見ると落ち武者惨殺のシーンなんか全部作り物とわかってしまい、それほど怖くはありませんでした。 しかしそれとは別に、映画そのものの完成度に驚かされました。あの狂走する山崎努を横からとらえたスローモーションなんか、ちょっと息をのむような美しさ。犯人がクライマックスで見せるあの“眼”なんか、恨みの固まりと同時にどこか悲しそうで、怖いやら美しいやらー、もう何とも言えません。 物語自体はめでたしめでたしで終わりますが、何とも言えない不気味な感覚は観客の胸に永遠に残ります。これぞ真のホラー(って、ホラー嫌いのくせに言ってるよ)。

近年、欧米人の間で日本のホラー映画はブームになっていますが、彼らのほとんどは“八つ墓村”を見ていないのです。何とも口惜しいじゃありませんか。 いつか見せてやりたい、と思うのは私だけでしょうか?

この映画作品の勇気あるところは、「祟り伝説を利用した連続殺人事件」であったという原作のプロットを、「本当の祟り」へと変更したことでしょう。

この作品の原作はとてつもなく膨大で登場人物も多く、おまけにトリックの複雑怪奇さは他作品の比ではありません。

その証拠に、「八つ墓村」は横溝作品として最も多く映像化された作品ですが、そのどれもがかなりの省略・簡素化をやむなくされています。

この巨大な原作の映像化として野村監督が出した答えは、原作の内容をはしょってまで忠実に描くよりも、思い切って犯人が隠れ蓑に使った「八つ墓の祟り伝説」を主題にしてしまうことでした。

この改変は、原作と映画作品の関係の、一つの見本かも知れません。

忠実に映像化することも正論であり、この作品のように、独自のアプローチで迫ることもまた正論でしょう。

原作では何十ページにも及んで描かれたクライマックスの金田一による謎解きは、圧倒的なカタルシスを読者に与えますし、本作の最も痛快で面白い部分なのですが、この映画はそれを全く描かないという、思い切った判断をしています。

そしてその代わりに据えられた、鍾乳洞内の圧倒的な恐怖。

恐怖映画としてのスタイルを貫いた結末に、こういう映画の作り方もあるということを教えられた思いがしました。

もっとも、この映画を見て「八つ墓村とはこのような物語なのか」と誤解されてしまうこともまた歯がゆいので、是非原作も併せてお楽しみいただきたいです。

... 続きを読む

恐らく金田一耕助シリーズの中で、最も知名度が高い作品が本作だろう。CMスポットで使われた「たたりじゃ〜」という言葉は流行語となり、「ルパン三世」でも使用された。ま... 続きを読む

松竹映画なので、東宝の市川監督の石坂金田一シリーズとは趣が異なります。... 続きを読む

本作は個人的には落武者狩りをテーマにした映画として「七人の侍」と並ぶ名作、... 続きを読む

小川真由美がいい演技をしました。八つ墓村はこれが最もおもしろいです。最後の小川真由美が鬼に代わっていくシーンは圧巻です。

公開当時原作が映画と連動で流行り、私自身小学生だったが読んでいた
本作(友人たちも。今から思うとよくあの難解な原作を小学生が…)。... 続きを読む

さて、前置きが長くなったが、野村芳太郎監督「八つ墓村」についての寸評を記す。本作の脚本、橋本忍は、観客の大部分は原作の読者である、ということを念頭に置き執筆したら... 続きを読む

何度も「テレビドラマ」や「映画化」がされてる作品ですが、この作品が自分では「八つ墓村のベスト」と思ってます。... 続きを読む

この作品が公開されたとき、私はまだ中学生でした。あまりの迫力と恐ろしさに目をそらすことも出来ず、見終わったあとも怖くて何日も眠れませんでした。... 続きを読む

横溝ミステリーの金字塔「八つ墓村」の1977年松竹映画版です。
2012年、さらに廉価になって再発されたんですね。... 続きを読む

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