ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド Blu-ray

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド Blu-ray
ジョージ・ハリスン没後10年の2011年―。アカデミー賞監督マーティン・スコセッシが贈る音楽ドキュメンタリー大作!

◆貴重な未公開映像、未公開写真、そして未発表音源も交えながら、音楽と共に生きたジョージ・ハリスン58年の人生の軌跡を描く!

◆ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、リンゴ・スターら盟友たちの新たに撮りおろしたインタビューが満載!

◆本編にはビートルズ時代から晩年までの未発表曲音源も多数登場!

【映像特典】
ダニー・ハリスン、ジョージ・マーティン、ジャイルズ・マーティンによる『ヒア・カムズ・ザ・サン』サウンド分析
「ディスピュート&ヴァイオレンス」(ラヴィ・シャンカール・ファミリー・アンド・フレンズフィーチャリングジョージ・ハリソン/ 1974年北米ツアーより)
ポール・マッカートニー 追加インタビュー(2分)
ジェフ・リンのインタビュー(3分)
デイモン・ヒルのインタビュー(4分)

【初回限定仕様】
アウターケース仕様

【スタッフ】
監督・製作:マーティン・スコセッシ
製作:オリヴィア・ハリスン/ナイジェル・シンクレア

【インタビュー出演】
エリック・クラプトン、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、ジョージ・マーティン、ポール・マッカートニー、オノ・ヨーコ、トム・ペティ、フィル・スペクター、リンゴ・スター、ジャッキー・スチュワート他

*仕様などは変更する可能性もございます。ご了承ください。

DVDS1 AND 2 BLU-RAY DISC (C)2011 GROVE STREET PRODUCTIONS LIMITED. AUDIO CD (C)2011 G.H.ESTATE LIMITED

映画が公開前から沢山の、しかも否定的なレビューが多く辛かったです、その人たちはどうやって作品を見たのでしょう?
というわけで11月19日、全国公開日の一度目を見て帰ってきてレビューを書いております。

映画は3時間半の長尺物を前編、後編に分けて一挙公開、3枚組のアルバムでソロデビューを図ったジョージらしさを表しているようで嬉しかったです、パンフレットの販売は無いものの全員にポスタープレゼントがあり、テンションがあがります、こりゃ来日公演以来の祭りだぜい!!(ちなみに料金は3D映画並み)

映画は"All Things Must Pass"ではじまり第二次世界大戦終了の映像のあとジョージの実兄二人の登場で期待が高まります、ファミリー公認映画で
貴重な写真が見れることが実証されたようなもの。

実際に公式写真、レア物、未公開物の映像、写真を交えながらお馴染の回顧形式で有名なエピソードの数々が語られていくわけですが、どうしても
話の中心はジョン、ポールになっていくわけで複雑な気持ちに・・・確かにレノン・マッカートニーの曲・映像抜きでは語れないのですこの時代。

プロデューサーのマーティン氏の言葉を紹介すると「ジョンとポールが曲を作ってきてジョージはアレンジから参加する構図が出来上がっており、
ジョージは曲作りでは完全に放置されていた状態で、気の毒に見えた」ジョージは一人で曲作りを始めなければならなかった、またマーティン氏は
サージェント・ペッパーズの録音時に「今回のアルバムは曲のレベルが高いからいつものような曲なら収録されないよ」とジョージにアドバイスしたそうです。前編はインド音楽を経てアヴァンギャルドな電子音楽に目覚めたジョージで幕、ちょっと長く感じました。

**ヘイ・ジュードの乱:ジョージが名曲「ヘイ・ジュード」の曲の合間合間にギターリフを入れるのに対しポールが「止めてくれ」と言ったたそうでこのあたりから二人の間に溝が・・・そういえば長い曲なのにギターソロが無い!!

その後のジョージの快進撃は皆が知るところなので省くとして、74年の全米ツアーの映像が断片ながら見れるのも嬉しいところで歌い方、衣装、テンションが普通じゃないです。その後のワーナーに籍を移してのソロ活動は全く描かれず、ダニー誕生だけでその時代は無かったかの様になっています。気がつくと覆面バンド、トラヴェリング・ウィルビリーズのレコーディングとビートルズ・アンソロジープロジェクト時のポールとの再会
映像、自分が見た限りこの時期のジョージが一番楽しそう。そして気がつくと99年ジョージとオリビアを襲った侵入者とのすさまじい格闘を
語るオリビア本人、ところがコレをすごく明るい口調で説明してくれたはファンへの気遣いかも。

以上本編を見た感想です、途中抜けている10年分のエピソードは別の機会ということでしょう、91年の日本公演も含めて・・・

全体を通して…ジョージ自身のコメント映像が多めに感じられたのが嬉しかったです(アンソロジープロジェクトのおかげ)

追記:特典映像見れたので書いておきます。
音楽やインタービューで最終的にカットされたのがこの特典映像のようで、たしかに本筋からそれたようなエピソードや映像がほとんどだ、そのなかでもなぜ?と思ったのはジョージ本人が語る少年時代のエピソード、ジョージが自分自身を真面目に語るのはなんか・・・らしくない、ファンならわかると思う。その他個人的に気に入ったのを2つ紹介すると・・・
1、ダニーとジョージ&ジャイルズ・マーティン親子がレコーディングの卓の前に座り名曲「ヒア・カムズ・サン」のマスタートラックの中から
使われていない、エレキギターのリフを聞くところ。(これらはオーケストラと差し替えられて闇のかなたに葬られたらしい)
2、ジョージとジェフ・リンがウクレレで楽しくセッション、曲は「サムシング」らしい、不思議なコード進行のこの曲、実はウクレレだととても簡単にプレイできる、おそらくこの曲はジョージがウクレレで遊んでいるうちに自然にコード進行を思いついたのだろう。

 私、実はこの商品の日本版を購入していません。私が買ったのは、10月10日発売の、刻印のないデラックスエディションUK版です(アマゾンUKで買いました)。ですから、ここにレヴューを書く資格がそもそもあるのか、自分でもよくわかりません。

 しかし、この商品に限らず思うのですが、なぜ発売前、それも上映もされていない・見ていない映像の商品化に対してあれほど非難が巻き起こるのか。そもそもそれって、立派な「営業妨害」ですよね?ファンというだけで、どうしてそこまで自分の主張を垂れ流す「権利」を持っていると考えられるのか、全く理解に苦しみます。

 という理由で、私も当初、この作品へのレビューを書くことにためらいがありました。でも、無事に劇場公開も終え、ようやく日本版も出た事ですし、遠慮がちですが、書かせてもらうことにしました。ちなみに、このタイミングで、と思った理由には、前記のような「愚痴」と一緒くたにされたくない、という思いもあったことを付け加えておきます。

 で、肝心の感想、なのですが。その前に、私の彼に対する好き度合いを書いておいた方がいいかなあ、と思います。
 私は、ビートルズはビートルズとして、4人がそろっているのが大好き。ジョンレノンは、ソロ時代、傑作が何枚もあるしそれは好きだけれど、ほとんど今好き好んで聞こうとは思わない。一時期に聞き過ぎたせいもあるだろうし、わりとヘヴィーなものが多いからでしょう。ポールは音楽家として破格の才能の持ち主だと尊敬もしていて、日常的に聞く機会も多い。リンゴは...まあ、ドラマーとしては世界有数の才能の持ち主のひとりだと思うけれど、彼のソロを聞こうと思う事は、滅多にないですね。
 で、ジョージについては、傑作は何枚かあるし("All Things ...", "George Harrison", "Cloud Nine"など)それらは大好きだけれど、音楽性から言えば、比較するのは問題もあるけれど、ポールの「普遍性」に比べると「個性」という風に捉えていて、正直に言えば、単調だと思うものも多い、と。
 
 というわけで、以下の感想は、そういう私の主観から見たものだという事を最初にご承知ください。
 
 映画は年代を追って、彼の幼少期、バンド加入、それが全世界的に狂乱を生むビートルズとなっていく過程をまず追います。ただ、ここに関しては、レアなフッテージを多数含んでいる、とは言うものの、ビートルズを主体に考えれば、既に「アンソロジー」という傑作ドキュメントがあるわけで、その点では、驚くほどの発見はありませんでした。ただ、ジョージ本人が当時どういう心境だったかが、本人生の証言で聞ける点では、「アンソロジー」よりも内容は深いです。
 
 そして、パート2。解散後の彼の姿が、豊富なホームビデオの映像とともに綴られていきます。ソロ時代のアメリカツアーのバックステージを含む貴重な映像、モンティパイソンらのイギリスコメディ界との交流、オートレース界との交流。私はいわばミーハーファンですから、この辺りの事情も知ってはいましたが、当人達の発言、そこで語られるエピソードは興味深かったです。が、これも正直言えば、「記録の再確認」といった感じがどうしてもあり、ということは、これがいわゆる、「マニア」むけではなく、正統的に作られた「一般観客向け」な映画だという事がわかりました。
 
 といったところで、一つ思ったのが「一体、ビートルズの元メンバーという認識を離れて、彼個人に興味がある人がどのくらいいるのだろう」ということです。書いた通り、私は、その視点で見るのに適切な者ではありません。そこのところが逆に知りたくなりました。

映画としては、正当なドキュメンタリーとして評価していいと思います。そして、マニアな方は、デラックスボックスを買い、全篇未発表曲の付属CDを聞けばいい、という、まあ、なんと良心的(?)というか、そういう作品(商品)でした。

 以上感想でしたが、最後に、個人的に見どころだったところをいくつか挙げておきます。
 ・かの有名な、当時の妻を巡る顛末について赤裸々に語る、クラプトンと、パティボイド(しかも、現在のパティの姿が、ある意味、衝撃的)
 ・悲惨だったと言われている、74年(?すみません、確かじゃないです)で、完全に声がかれた状態で懸命に歌うライブ映像と、バックステージで必死にうがいをするジョージ
 ・「ジョンレノンが死んだとき、彼は激怒していた。あんな風に魂と肉体が無理矢理引きはがされるなんてひどすぎる、と」という第3者の発言から伺える、彼の死生観。
(ついでに、生前息子に「私は死んで、肉体は滅びるが、魂(?存在といった方が近いかも)は、いつでも側にいるよ」と言っていたそうで。そういう考えだったんですね)
・がん宣告の後、自宅で静養中に、自宅に強盗が押し入った際の状況を、妻のオリヴィアが生生しく語るシーン
 そして
・リンゴが、生前最後に彼をお見舞いした時のエピソードを語り、思わず涙ぐむシーン
 
 等身大で見て、大勢の友人に恵まれた人物だったのだなあ、と改めて思いました。

なので、スコセッシ映画の主人公たちとかなり共通するジョージの人生という印象になっています。
こういう切り口で人間ジョージ・ハリスンを描いたのはユニークかも知れません。
もちろん劇映画ではないドキュメンタリーですが(ポスターやこのパッケージの写真を見た時、ジョージの顔があんまり綺麗なので
劇映画なのかと思ってしまった)、人生で一度は成功してその後は徐々に世の中とかみ合わなくなって自分の世界に閉じこもったり、
人生の意味を模索するジョージの姿は『アビエイター』のハワード・ヒューズと似ているなぁと思って観てました。
ジョージがハワード・ヒューズに言及する場面があるのですが、スコセッシがあえてこの場面を入れたのはどこかで似た雰囲気を
感じていたのかなと邪推したり。
イギリス旅行した時にフライヤーズ・パーク見学(外からw)というのがあって、皆入口のメルヘンチックな建物に感激して写真を撮っていたら、
ガイドさんが呆れて「それは管理人の小屋でジョージの本宅はもっと奥ですよ」と笑っていました。それと同じく、自分たちが見ていた
ジョージ像というのもまた、今まで表面からしか見られていなかった。そういう意味ではこの3時間半を費やした映画は人間ジョージに迫る
良いアプローチになるのではないかと思いました。
ただ、『ロング、ロング、ロング』をフルバージョンで使っているのにラストをまるまるカットしたり、『ブレインストーム』のマントラだけを
意味ありげに使って作者の意図を曲解させるような真似はやめてほしい。この2曲を聞いていると、スコセッシとオリビア・ハリソンが伝えたい
「きれいなジョージ・ハリスン」のために、意図的にジョージの他の一面を隠してしまっているのではという疑問を抱くのですが。

観ました、ジョージの映画。

マーティン・スコセッシ制作と知った時から素晴らしい映画になること間違いないと... 続きを読む

... 続きを読む

初回限定ポスター欲しさに初日初回に映画館で見てきました。... 続きを読む

早いもので、ジョージが亡くなってからもう10年、マーティン・スコセッシ監督によるこの伝記作品。内容は、映画も公開されていることだし、様々なメディアで紹介されている... 続きを読む

US版は、ないらしい。
US版に日本語字幕が付いていたら・・・。
ワーナー、20世紀FOXの販売だったらいずれ・・・。... 続きを読む

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