選挙 [DVD]
自民党に白羽の矢を立てられ、縁もゆかりもない川崎市議会議員の補欠選挙に出馬することになった男の選挙活動を追ったドキュメンタリー。政治に関しては全くの素人である山内和彦を当選させるため、元首相・小泉純一郎を筆頭に多くの著名人が奮闘する。
小泉人気の絶頂期に、川崎市議補欠選挙の自民党公認候補を追ったドキュメンタリー。
候補者は、東京で切手・コイン商を営む政治のド素人。
公募から自民党公認を得ているので、箸の上げ下げまでベテラン選対に指導され続け、「何をしても怒られるし、何をしなくても怒られる」。最終的には小泉総理の登場もあり、際どい得票差で民主党候補を下して当選する。
候補者は、川崎市内を駆け回り自分の名前を連呼するだけ。少なくともフィルムの中で政策について語るシーンは少なく、候補者が政治的ビジョンを持っているとは言い難い。
彼が小泉純一郎に似ているので、彼の選挙を構造改革・郵政民営化を連呼するだけの小泉型政治の縮図として捉えることは容易だが、海外在住の長い監督の意図は小泉政治よりも、日本人の国民性そのものに向けられている。
かつて、きだみのるが指摘し続けた日本のムラ社会のメカニズムが、川崎市という都会でも部分的に機能していることを監督は丁寧にフィルムに残す。特に選挙活動のディテールは非常に面白い。
・「妻」ではなく必ず「家内」と呼ぶ。フィルムでは、「丁寧に「お」をつけると「おっかない」」というギャグで笑いをとるため、と説明されている。
・握手の時は最後に必ず眼をみる。
・通行人は3秒間しか話を聞かない。だから必ず3秒に1度名前を言う。
・とにかくお辞儀し、名前を連呼し続ける。電柱にもお辞儀。
・老人会の運動会、幼稚園の運動会、地元のお祭りに参加
自民党のドブ板選挙のノウハウと人員を動員して、地盤も政策を持たないズブの素人を当選させることができた。
ただし、自民党が圧倒的支持率を誇っていた小泉時代の地方選挙であり、小泉首相の登場などの後押しがあっても、結果は千票程度の僅差であったことが意義深い。日本におけるドブ板選挙の強さと、同時にそれが有効性を失いつつあることも示している点で貴重なフィルムだ。
これは映画というより、ドキュメンタリーのような自主制作映画のような作り。
すべてノンフィクションで、川崎市議会議員の補欠選挙に自民党が候補者を立てれず、公募して推薦された山内和彦さんの選挙運動と選挙当日、結果発表の様子が撮られている。
実際に、よくこんな映画が撮れたと思うし、公開されたものだ。
組織の選挙はこのようにしてやられているのかという裏の様子がよく描かれている。
今は国政の場で自民と公明が組んでいるのだが、映画の中では自民党のボランティアの協力者が、公明党の人を批判したりしていたが、あんな所クレームがつかなかったのだろうか。
しかし選挙というのは大変というか、何が大変って、何のため誰のためにがんばっているのではなく、組織の一員として神輿に乗っているだけ…という事が大変そうだ。
公約を訴えるわけでもない、たた゜「小泉自民党から立候補した山内和彦です」しか言ってない。川崎市の市会議員に小泉自民党が関係あるのか?
しかし選挙は自民党の応援がなければ相当苦労するというか、よほどボランティアで協力するという人がいなければ無理だろう。今回の理事長は党の推薦だから大丈夫だろうが。
映画の中で「こんなに世話になって当選したのに、造反するなんてトンでもねぇ事だ」というセリフがあったが、本当の気持ちだろう。
この映画のポイントであり山内さんの決断の面白い所は、当選はしたが次の選挙には出なかったということだ。どうして出なかったかは、映画の中にちゃんと伏線がある。やはり「組織の都合に押し負けてしまった」と言うことだろう。
一番印象的だったというか面白かったシーンは、ギリギリ1000票差で当選した時の選挙事務所での万歳シーン。その時の奥さんの疲れきった投げやりのうれしくなさそうな万歳。あれが全てをかたっているような気がした。
選挙区とは縁もゆかりもない東京在住の自営業者が、川崎市の市議会議員選挙に自民党の落下傘候補として公募で選ばれて戦った選挙の全記録。何がすごいかというと想田和弘監督の観察映画というだけあって、ひたすた見学者に徹して偏見もインタビューもなしに冷静にカメラをまわし続けていたこと。自民党から派遣された選挙参謀や支援者が、自民党公認というだけで選挙マシーンに徹して担いでいる。候補者の意思には関係なく、担ぎ手の支援者は候補者を急き立て指示して、挙句の果てには叱りまくる。票を獲得するために幼稚園の運動会に顔を出して来賓席に腰掛け、手伝ってもらう現職は退屈そうな幼稚園児を前に父兄への挨拶までする。祭りの神輿をかつがされ、老人運動会では準備運動にも参加。選挙が始めると、まともな公約もなく地域も知らないような候補からの口からはひたすら自らの名前を連呼し続ける。仕事を休んで応援に来た候補者の奥さんは周りからあれこれ注文をつけられ、早く子供を作った方が良いとまで言われる。中盤では候補者の山内和彦氏を訪ねてきた元東京大学同級生を相手に、「何をしても怒られる」「公募だけどある程度の出来レース」「東大を出てるだけで選ばれたマシな候補」と本音がポンポンと口から飛び出る。こうやって冷静に見ると確かに日本の選挙はかなり変だ。候補者を応援する自民党の市議会議員も、次回の市議選では敵となるので自らの支援者を持っていかれないように注意を払う。選挙の運動を手伝っている支援者も候補者のことを良く知らず、選挙を手伝う理由はただ単に自民党公認ということだけ。候補者であってもあくまで自民党が担いだ神輿であり、平気でバカにした言動を繰り返す。当選した候補者を先生と呼んで態度が一変するかと思いきや、当選バンザイの場にいなかったというだけで同僚となる市議会議員と支援者が揃ってけなし始める。これでは信念を持って自分の政治活動を続けるのは無理だろうと、見ていて思う。その後、川崎市議を1期で勤めただけでやめた山内和彦氏はまともな神経をしていたのだとつくづく思いました。
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