蟻の兵隊 [DVD]

蟻の兵隊 [DVD]
世界で初めて“日本軍山西省残留問題”に正面から斬り込んだ衝撃のドキュメンタリー!

私たちは上官の命令に従い、蟻のようにただ黙々と戦った―。
終戦直後の山西省で何が起こっていたのか?

●規格
カラー/16:9 ビスタ/片面1層/101分/日本語字幕
音声:1.オリジナル日本語・一部中国語〈ドルビー・デジタル・ステレオ〉/特典:未定

●製作年・国
2005年・日本

●スタッフ
監督:池谷薫『延安の娘』
製作:権洋子『延安の娘』
撮影:福居正治『延安の娘』、外山泰三
編集:田山晃一
音楽:内池秀和『火の鳥』『偉大なる旅人 鄭和』

●解説
中国山西省で終戦を迎えた北支派遣軍第1軍の将兵2,600人は、武装解除を受けることなく残留。国民党軍の部隊として、戦後4年間共産党軍と戦い、550人が戦死した。生き残った者も700人以上が捕虜となり、ようやく引揚げることができたのは、日本が高度経済成長に突入しようとする昭和30年頃のことだった。“軍の命令で残った”と主張する元兵士らは“志願による残留”とみなされ、戦後補償に応じない国を訴え続けている。
第1軍司令部軍司令官によって行われたという歴史上類を見ない“売軍行為”は、多くの日本人にとって知られることの無いまま、第二次世界大戦の記憶の風化と共に歴史の闇に葬られようとしている。本作は、戦争の被害者でもあり加害者でもあるひとりの老人・奥村和一が、“日本軍山西省残留問題”の真相を解明しようと孤軍奮闘する姿を追った衝撃のドキュメンタリーである。
奥村氏の体には、未だ無数の砲弾の破片が残り、左耳の聴力と全ての歯が失われている。しかし彼は、戦争によりそれ以上のものを奪われた。“初年兵教育”の名の下に、“肝試し”と称してなされた中国人の虐殺を巡るエピソードは、戦争がいかに人間の尊厳を破壊しつくすかを如実に物語っている。真実を見極めようとする奥村氏の中国への旅は、この問題自体を黙殺しようとする国家に対する戦いと、侵略戦争の加害者としての贖罪という二重の意味に彩られる。これまで妻にさえ語ることのなかった自らの戦争体験を明らかにすることで、彼にとっての戦争に決着をつける道を見出す奥村氏の姿は、戦争責任を省みることなく、総括することもせずに歩んで来たこの国の歪んだ像を際立たせる。
監督は、テレビ・ドキュメンタリーのディレクターとして数多くの作品を手がけ、モンテカルロ国際テレビ祭ゴールデンニンフ賞受賞などの経歴をもつ池谷薫。『延安の娘』に代表されるように、中国での取材活動を積極的に行っている。資金の一部を全国の有志からのカンパで補い完成した本作は、試写を見て感銘を受けたボランティアの活動の甲斐あって、全国各地で上映され、その波紋の輪を静かに広げている。見ることで知り、知ったことで何かが変わる。『蟻の兵隊』とは、まさにそういう映画だ。

奥村さんの情熱、自分が伝えなければと、
その力強い信念にグイグイ引き込まれた。

90歳すぎた、病院で命をつないでいる
お爺ちゃんの声にならない無念の叫び。

こんな不条理な人生を強いられた人たちの
存在を何も知らなかったので衝撃的でした。

らちのあかない裁判をしているうちに、
あのお爺ちゃんたちは死んでしまいます。

60年前の記憶も薄れてしまいます。

過去の過ちを繰り返さないためにも、
こういう戦争の不条理があったことを、
たくさんの人が知るべきだと思いました。

 私は1945年8月15日敗戦、日本軍の兵士達は戦争から解放されたと思っていた。
 その後、戦勝国からある基準でもって処罰をうけ、各人処遇をうけたと想像していた。
 しかし、この想像は間違いであった。
 『日本軍山西省残留問題』という予想せざる事態があったという。
 日本軍将校と中国国民党の密約であった。
 兵士は次のような命令を受けた。日本国の「残留命令」に従い日本兵として中国国民党のために、 更に中国での日本帝国陸軍復興の核として中国共産党軍と戦うこと。
 兵士は命令通り、残留し4年間国民党と共に日本兵として戦争を継続し、敗戦後5年間抑留された。
 この事実を日本国は認めなかった。
 彼らは、納得できない。
 彼らは日本国家相手に事実を認めさせようとした。
 裁判闘争となった。
 その闘いの中心人物は八十才を越えた奥村和一である。
 彼は中国にわたり 証拠をあきらかにする行為を開始する。
 この執念。彼に惚れ込んだ監督池谷薫。
 かくして、不思議な映画ができあがった。
 国家にとって兵士とは何か。兵士は命令に抵抗できるのか。
 偉大なるドキュメント。
 久しぶりにみた八十才を越えた日本男児たちの姿。
 迫力あり。
 必見。

毎年夏には,邦画・洋画を問わず何となく“戦争関連作品”に目が行ってしまいます。
この夏は,「ヒットラーの贋札」「明日への遺言」そして本作が3本目です。
本作は,第二次大戦後も上官の命令で戦争を続けた男たちのドキュメンタリーです。
中国・山西省に残留させられ,国民党軍として中国の内戦を戦った,およそ2600名の元日本兵たち。彼らは,終戦10年後に帰国しますが,国からは逃亡兵として扱われ“残留は自らの意思によるもの”とされて,戦後補償は認められませんでした。
自身が戦争の被害者であり加害者である奥村和一さん(80歳)は,“自分たちは何故残留させられたのか”その証拠を探すために中国を訪れ,過去の自分たちの行為に向き合います。
奥村和一さんが軍人恩給の支払いを求めた最高裁の判決は控訴棄却,法廷さえ開かれなかったようですが,奥村さんの活動は“戦争とはいかに惨いものであるか”を命ある限り語り継ぐことに執念を燃やしているように見えます。
とても重い映画で,興行的には成功とは思えませんが,一見の価値があります。

「ゆきゆきて神軍」に続いて第二次大戦の暗部を当事者が暴くノン・フィクションのドキュメンタリー。... 続きを読む

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