タクシデルミア~ある剥製師の遺言~(通常版) [DVD]

タクシデルミア~ある剥製師の遺言~(通常版) [DVD]
「ハックル」で2002年度、全米批評家支持率100%を得た、パールフィ・ジョルジ監督が描く、本物が認める本物の奇怪映画!

ハンガリーの若き剥製師・ラヨシュ。彼には、第二次世界大戦で一兵卒だった祖父、共産主義時代に大食いアスリートだった父と母がいる。
激動の時代に生きた肉親たちの数奇な人生と、ラヨシュの平凡な毎日…。なぜ、ラヨシュは「剥製」を作り続けるのか? 彼がめざす究極の剥製とは―?
第二次世界大戦中に当番兵だった愚鈍な祖父は、上官にしかられこき使われる毎日。奇妙な空想の世界に生き、愛に飢えている。
その祖父が上官の妻にそそのかされ関係を持ってしまった末に生まれた父は、戦後の共産主義時代に大食い・早食い競技のトップアスリートとしての成功を目指す。
そして同じく大食いアスリートの母との間にできた物静かで痩せこけた剥製師の息子は、偉大なる“不滅性”に憧れを抱く。

ハリウッドや日本とはまったく違う手触りの作品を作る映画作家に出会うことがある。東欧ハンガリーのパールフィ・ジョルジ監督はそんな鬼才の一人だ。チェコの映像作家シュバンクマイエルを想起させると言えば、想像しやすいだろうか。グロテスクできわどい映像でつづられるアヴァンギャルドなこの物語は、あまりにクセがある映画なので、万人にはお勧めできない。だが、気骨ある映画ファンなら、間違いなく刺激を得られる1本とも言える。

物語はオムニバス形式で、三代に渡る親子の数奇な生き様を描くもの。彼らの人生を通してハンガリーの歴史をも見据える、壮大で奇抜なクロニクルだ。第二次大戦下の人里離れた前哨地点で、上官から奴隷のようにこき使われる祖父は“性欲”を、大食いチャンピオンの父は食べては吐く妄執的な行為を繰り返して“食欲”を満たそうとする。そして、ひ弱な孫は剥製師となり、トンデモナイ芸術作品を作ろうとするのだが…。

この作品をカテゴライズするならば、ダーク・ファンタジーということになろう。徹底した悪趣味にはどこか突き抜けた陽気な気配が漂っていて、嫌悪感を感じながらも目が離せなくなる。嘔吐や生物の解体など、俗悪の極みの映像の中で、火を吹くまで性器が勃起する祖父の笑い声や、巨漢で動くことさえ不可能な父が猫を大食漢にしようと奮闘するなど、バカバカしくもユーモラスな描写があって、退屈しない。だが、剥製師の息子ラヨシュのエピソードになるとトーンが変わる。彼は、剥製、すなわち、生物の肉体の保存を追求することで、永遠を目指しているのだ。と同時にこの人物は死にとりつかれている。最終的に彼がたどりつくその行為や思想はあまりに奇抜だが、すべてのタブーを踏み越えて挑む“究極の芸術”には崇高なものさえ感じる。

タクシデルミアとは剥製術のこと。決して気持ちの良い映画ではないし、一般的な感動や美しさとも無縁。だが、社会風刺や権力批判を、悪夢のような映像美学で魅せるこんな作品も、確かに「映画」なのだ。人間の欲望を思いがけない形で覗き見したような問題作。無視するにはあまりに惜しい。

(2006年/ハンガリー・オーストリア・仏/パールフィ・ジョルジ監督/原題「TAXIDERMIA」)

映画は観てきましたが
こんな映画見たことない。

結末が意外でした。
映画好きでダークな作風好きな人は見てください。

この監督の他の作品もみたいなぁ〜

かなり芸実的な作品・・・
凡人の私には理解デキマセンでした。
理解しようと考えずに観たほうがいいかも。
映像美はとてもいいです。

同じカテゴリにある他の記事

GO! GO! GO!/ゴー・ゴー・ゴー [DVD]
巴里(パリ)のアメリカ人 [DVD]
ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート [DVD]
オリバー! [DVD]
ZOO [DVD]
フェリーニのローマ [DVD]
ニューヨーク・ニューヨーク [DVD]
Endless SHOCK 2008(通常盤仕様) [DVD]
ニューヨーク・ニューヨーク [Blu-ray]
書を捨てよ町へ出よう 【低価格再発売】 [DVD]
プロデューサーズ コレクターズ・エディション [DVD]
メリィ・ウィドウ《IVC BEST SELECTION》 [DVD]
マンマ・ミーア! [DVD]
巴里の恋愛協奏曲 [DVD]
スタア誕生 デラックス版 [DVD]
回転木馬 (製作50周年記念版) [DVD]
ロシュフォールの恋人たち [DVD]
君も出世ができる [DVD]
ムトゥ 踊るマハラジャ [DVD]
ウィズ (ユニバーサル・セレクション第2弾) 【初回生産限定】 [DVD]