キャバレー [DVD]
1929年から30年にかけてのドイツ、ナチスが台頭し始めてきたころのベルリンのキャバレーを舞台に繰り広げられる、さまざまな人間模様を描いたブロードウェイ・ミュージカル(初演は1966年)の名作を基に、名匠ボブ・フォシー監督が描くデカダン・ミュージカル映画の傑作。キャバレー歌手サリー(ライザ・ミネリ)の下宿に越してきたイギリス人青年ブライアン(マイケル・ヨーク)、ふたりの仲に介入していくバイセクシュアルの貴族(ヘルムート・グレーム)、そしてすべての登場人物と世相を操るかのように現れるキャバレーの司会者(ジョエル・グレイ)…。
彼らの織り成すドラマと歌の数々から、やがてファシズムを支える要素が、政治への無関心そのものであることまで浮き彫りにされていく。アカデミー賞監督・主演女優(ライザ・ミネリ)・助演男優(ジョエル・グレイ)・撮影・美術監督・音響・編集・編曲の8部門を制覇。(的田也寸志)
『キャバレー』のレビューの中で、よく目にするのが「後味の悪い作品」という言葉である。1930年代後半ベルリン。ナチスの足音が少しずつ忍び寄る退廃的な雰囲気の中での、退廃的な恋とその破局を描いた作品のエンディングの、何がそんなに後味を悪くさせるのだろう?
あのドラム音に続く、鏡に歪んだ鉤十字と、無音のクレジットという演出から象徴的に感じ取れるものは、実は「緊張感」である。バカ騒ぎの後に何が来るのか?史実上は第二次世界大戦の悲劇が訪れるわけであるが、それをフォッシーは「バカ騒ぎの後の、無音のクレジット」という演出で描こうと努力している。
通常は、ストーリのオチがあって、適当な音楽と共にエンドクレジットが流され、見ている我々に「これで映画はおしまい」というメッセージと安心感を伝えるわけであるが、わざわざそのオーソドックス・パターンを外してまでも描いているのは、戦争という時代背景が持つ「後味の悪さ」に違いならない。この演出を映画としての「後気味の悪さ」と捉えるか、実際の歴史が辿った「後味の悪さ」と捉えるかは、見る人次第かも知れないが・・・。いずれにしろ、シーンのあちこちで徐々に示されていく戦争の描き方としては、とても面白いし、評価されるべきだと思う。
それにしても、ライザ・ミネリの見事なまでもの歌唱力にはうなるばかりだ。
そして、ライザもさることながら、なんといってもキャバレーの司会役、ジョエル・グレイの演技は素晴らしいの一言に尽きる。まさに、生きたピエロそのものだ。こんなミュージカルアクターはなかなかいないし、そうは出てこないので、ジョエルだけ見ていても、十分、『キャバレー』の魅力に取り付かれること、間違いない。
ライザ・ミネリを大スターにした傑作ミュージカル映画であり、ボブ・フォッシーの演出とセクシーなライザ・ミネリの歌とダンスも勿論素晴らしく、これは文句なしに素晴らしいと思います。この作品は、それだけにとどまらずナチスドイツが勢力を伸ばしてゆき、暴力が社会から自由や歓びを奪ってゆく様子を象徴的に描いており、不気味な恐怖が社会全体を覆ってゆく時代の姿を見事に活写しています。
ミュージカル映画は、楽しいものと思いがちですが、私はこの映画を見て、何よりもナチスという存在の恐ろしさを感じました。ナチスドイツの狂気を描いた作品は他にも数多くありますが、健全な社会にがん細胞のように得体の知れない恐怖が広がってゆく、まさにその瞬間を捉えています。
ライザ・ミネリの魅力をご覧になってもいいですし、歴史の一瞬を垣間見る目的で見ても納得出来ると思います。
我々が住む現代も同じような得体の知れなさを感じます。
多くの映画ファンを納得させる傑作だと思います。
この『キャバレー』はブロードウェイの舞台を映画化したものですが、 彼女は舞台のオーディションで14回のテストをした後、結局落ちてしまったそうです。(設定に忠実にするために、イギリス人を選んだため) その分、映画中では彼女の魅力全開。見事オスカーを手にしました。 特に、最後に歌う表題歌の『cabaret 』は圧巻です。 ライザの歌唱力は言うまでもなく、最後のシーンでは、"傷心でもキャバレーの舞台では明るく歌う"サリーが感動的です。 他に印象的なシーンと言えば、司会者役のジョエル・グレイがオープニングナンバー:『willkommen 』を歌う場面。異様な雰囲気です。時代を風刺してます。 彼は舞台版の同じ役でトニー賞&映画化でアカデミー賞助演男優賞と、同じ役で2つの偉大な賞を受賞しています。 唸るばかりの演技。 この映画はナチスの波とそれに巻き込まれていくベルリン市民の様子を巧みに描いています。 本作でアカデミー賞受賞の監督賞受賞のボブ・フォッシーにも拍手! さっきからアカデミーアカデミー言っておりますが、この作品は1972年のアカデミー賞において、作品賞こそゴッドファーザーに譲りながらも総合では8部門と最多受賞をして圧勝しました。 名作です。 現在値段が高騰していますが。
ブライアンと笑顔で別れるサリー。
「紳士と淑女の皆さま…」... 続きを読む
国家と人心がどんどん腐れて駄目になってゆく過程を場末のキャバレーの踊り子とアメリカ人青年との恋とファシズムを背景に描いた異色の強烈なブラックミュージカル。劇中の言... 続きを読む
楽しく、パワフルなショウを家で気軽に見れて良かった。ライザ... 続きを読む
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