勝手にしやがれ [DVD]

勝手にしやがれ [DVD]
   ジャン・リュック・ゴダール監督の長編デビュー作にして映画史上に輝く革命的傑作。警官殺しの小悪党(ジャン・ポール・ベルモンド)が、パリにやってきた米国娘(ジーン・セバーグ)に惚れるが裏切られ、路上で警察に射殺される。要約すればこれだけの話を、イタリアン・ネオレアリズモにならって撮影所ではなく、部屋や街路で昼夜かまわずルポルタージュのごとく、手持ちカメラで2人の軌跡を活写。その即興的演出、ジャンプ・カット中心の編集は追随者を次々と生んだ。
   実話系週刊紙から原案を提供したのはフランソワ・トリュフォー、監修に名を連ねたのはクロード・シャブロル。批評家仲間で、先に監督進出していた彼らの友情のもと、ゴダールはB級犯罪映画へのオマージュをこめて製作。ヌーヴェルヴァーグの永遠のシンボルといえる1本。(轟夕起夫)

 「息ができない」という意味の原題は、「海も山も都会も田舎も好きじゃなかったら息ができない」と最初に車のなかで銃を振り回しながら口ずさむベルモンドの自由への旅立ちの言葉。「空気が足りない」と言って殺しを犯したラスコーリニコフ(ドストエフスキー『罪と罰』)や「太陽のせい」と往って不条理な殺しを犯したムルソー(カミュ『異邦人』)に習って、ミシェールもきちんと警官殺しをやってくれる。

 パリでの撮影はハンドカメラによるお手軽ロケみたいなシーンばかりで、ハリウッドもののように室内に三脚を立てて撮らないのだな、と思いながら見ていた。それはやはりパリが絵になるからなのだと思う。モノクロの映像の中でも、凱旋門を中心とした道路とそこを行き来する車の流れ、建築物の荘!重さ、夜のヘッドライトの流れと瞬き……ゴダールはやはり、とことん映像作家なのである。

 ミシェールは生まれついての犯罪者であり、それがロミオとジュリエットのように国籍も育ちも、住む世界も違う、そんな娘に惚れちゃったばかりに悲劇を呼ぶという、何となく説明のつく落ち着きのいい話になっていると思う。女性に惚れ、女性に棄てられると死を選ぶ。無軌道というよりは、すべてか無、生か死かの世界だ。あまりにも刹那的で明日なき世界。孤独でやるせない物語なのだ。

 ハンフリー・ボガートに憧れ、ルノワールには目もくれない。音楽は嫌いだが、女は好きで、始終煙草を吸っては煙を吐き出して空気をかきまわしている。これじゃあ息ができないわけだ。言葉と映像のキャッチボールがとても面白い!というのも、ゴダールの特徴みたいである。

ヌーベル・ヴァーグの衝撃!
圧倒的なまでの刹那主義、とりとめのない嘘や暴力、警官を殺そうが、そんなこと事態
まったく構うことなく、追い詰められ逃げ惑う。その一瞬のカットの中に見るスマート
でスタイリッシュなベルモンドの身のこなしこそ、すべては気分だった。そして虚無の
中で相手を信じられない女性。不安を感じながらも、それでも未来をじっと見つめ続け
るセバーグの可憐な瞳。セシルカットとステンカラーコート、ストライプにサングラス
はここで完成したパリのモードとなり、時代を乗り越えた映像世界が現代へファッション
という記号とともに産み落とした影響を見れば、この作品の価値が理解できるところである。
時代を越えた普遍性が古さを感じさせない理由だとしたら、その源泉は1950年代パリの
持っていたエネルギーを、真空パックでフィルムの中に定着させたゴダールのエネルギー
だったのかもしれないと改めて納得する作品です。

この映画、ひさしぶりに観た。 15年くらい前に、おそらく30回くらいは観た。
それからピタッと観なくなって、 そしてひさしぶりに観たくなった。

ヌーベルヴァーグの名作と云われるこの映画。
右脳のみで観るのが、気持ちいい。 シックリくる観方だと思っている。
(左脳使うと「はぁ?。」と、摩邪みたいなリアクションになる。ボクの場合。)

ジーン・セバーグの髪型や、 ジャン・ポール・ベルモントのファッションや仕草。
かなり洒落てるのだけど、 今回は一言一言の台詞にベクトルが向いてた気がする。

「愛されたいのと同時に愛されたくないのよ。」

「傷心と虚無。どちらを選ぶ?」「傷心は妥協だ。おれは虚無を選ぶ。在るか無いかだ。」

「人生最大の野望は?」「不老不死で死ぬこと。」

ヒトのココロというものは、 対極の意味を持つそういうものをいつも同時に、
しかも同じ場所に抱えているものなのかもしれない。
どちらかでなく。しかも幾対も。
とても正確な描写だと思った。

気取ったおしゃれな映画だと思う。
どこを切り取っても絵になるフランスを舞台に、美男美女がいちゃついている。
でも退屈だった。... 続きを読む

ゴダールが一躍注目を浴びるきっかけとなった長編デビュー作。ほぼジャン・ポール・ベルモントとジーン・セバークの会話のみで構成されており、ストーリーもあってないような... 続きを読む

 ジャン=リュック・ゴダールがカイ・ユ・ド・シネマから抜け出し、自らメガホンを執った映画だ。... 続きを読む

昔から有名なフランス映画。どうしてこんなに有名なのか?とりあえず見ておこうと
思い見ました。... 続きを読む

ジャン・ポール・ベルモンド主演。ジャン・リュック・コダール監督。フランソワ・トリフォー原案。ヌーベル・バーグ(なんじゃそりゃ?)の始祖として有名。ベルモンドといえ... 続きを読む

早く終わってくれないかなと思いながらとりあえず見ました。確かに哲学的なシャレたセリフがいっぱい詰まってますが、でもそれで何って感じでした。不老不死になって死ぬこと... 続きを読む

結構ショボいです。気をつけろ!

主人公たちの演技やファション、景色などにハマる事ができなければ... 続きを読む

基本的に歩きタバコはすごく嫌いなのですが、この映画はとてもかっこよく感じおもしろかったです。実際この年代の映画はめったに見たことなかったのですが、すごくおもしろか... 続きを読む

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