ブリューゲルの動く絵 スペシャル・コレクション [DVD]

ブリューゲルの動く絵 スペシャル・コレクション [DVD]
摩訶不思議、寓話の世界に迷い込む。

16世紀フランドル絵画の巨匠として、
「バベルの塔」「雪中の狩人」や寓話的な版画で人気の高い
ピーテル・ブリューゲルの名画「十字架を担うキリスト」の世界を旅する体感型アート・ムービー!

■絵画そのままの衣装をまとった豪華キャスト!
主演は『ブレードランナー』で知られるルトガー・ハウアー。
またシャーロット・ランプリング、マイケル・ヨークら映画界の実力派俳優が脇を固める!

■監督はポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ!
『バスキア』の原案・脚本を手掛け、アート界でも活躍するレフ・マイェフスキ監督が、
4年の歳月をかけ、実写映像と絵画を融合させ、3Dのような奥行きのある絵画空間を独自再現!

第24回東京国際映画祭特別招待作品

[STORY]
16世紀フランドルの夜が明け、農村の一日が始まる。
若夫婦は仔牛を売りに出かけ、岩山の風車守りの家族は風車を回し小麦を挽く。
のどかな村の様子とはうらはらに、支配者は異端者を無惨に迫害していた。
アートコレクターのヨンゲリンクは画家ブリューゲルにこのあり様を表現できるかと問いかける。
それに応えブリューゲルが風車の回転をとめると、すべての光景がぴたりと動きを止めた。
すると、フランドルの風景の中にキリストや聖母マリアらが過去から舞い戻り、
聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まった。

【特典内容】
■仕様
アウタースリーブケース付き
■封入特典
特製ブックレット:24P
大型謹製ポストカード:5枚
■映像特典
ポーランドTV局制作ドキュメンタリー ~レフ・マイェフスキと「ブリューゲルの動く絵」の世界~
キャスト・スタッフ プロフィール(静止画)
予告編集
フォト・ギャラリー(静止画+スライド)

[CAST]
ピーテル・ブリューゲル役:ルトガー・ハウアー 『ブレードランナー』
聖母マリア役:シャーロット・ランプリング 『メランコリア』
ニクラース・ヨンゲリンク役:マイケル・ヨーク 『オースティン・パワーズ』

[STAFF]
監督・製作:レフ・マイェフスキ
脚本:マイケル・フランス・ギブソン/レフ・マイェフスキ
マイケル・フランシス・ギブソン著 The Mill and The Crossより着想
撮影監督:レフ・マイェフスキ/アダム・シコラ
編集:エリオット・エムス/ノルベルト・ルジク

発売元:ブロードメディア・スタジオ

(C)2010, Angelus Silesius, TVP S.A


ウィーン美術史美術館にはブリューゲルの部屋がある。有名な「バベルの塔」の右側にこの作品「十字架を担うキリスト」が展示されている。
16世紀オランダ・フランドル地方の農民の活き活きとした生活の中に、赤い制服を着た兵士に急かされながら十字架の重さに喘ぐキリストや
ひたすら祈りを捧げるマリア、さらにはそれらを冷静に見つめるブリューゲル自身が描きこまれている。遠方の切り立った岩の上には風車が…。

ブリューゲルの絵を見た古今東西多くの人は、そこに描きこまれた人々の営みを見て映画のようだと思うだろう。そして其々の想像の中できっと
ブリューゲルの絵を動かしてみるだろう。この映画はそれをやってのけた。まさに「ブリューゲルの動く絵」である。しかしタイトルがそれでは
少々間の抜けた感もある。原題は「THE MILL & THE CROSS」。崖の上が天国との境という台詞もあり、「風車と十字架」が重要アイテムなのだ。

ブリューゲルの絵を動かすには、今の時代はCGで一発である。実際この作品にもCGは多用されている。しかしそこに登場する大勢の人々は生身の
人間である。普通に生活の営みを演じているが、風車が止まるとすべての動作が固まり、ブリューゲルの絵になっていく。この時の人物はCGでなく
実際に全員が一斉に動作を止め固まっている。馬だけが監督の指示を無視して、少し首を振ったり足踏みしたりしているので解る。そこが面白い。

映画で扱われている絵画「十字架を担うキリスト」は
ブリューゲルが、アントウェルペンの裕福な収集家ニクラース・ヨンゲリンク(マイケル・ヨークが演じている)に
依頼されたものの一つとされている。
ちなみに日本でも人気の高い「雪中の狩人」や「牛群の帰り」も
ヨンゲリンクの依頼により描かれたもので、3点ともウィーンの美術史美術館に展示されている。

16世紀、この地方はスペインの支配下にあった。
スペインはカトリック宗主国であり、この地に芽生えつつあった
プロテスタント勢力に対して過酷な弾圧を加えていた。

画面中央に描かれたキリストをゴルゴタの丘に引き立てていくのは
画中ではスペイン軍兵士である。

映画の登場人物でセリフをしゃべるのは
ブリューゲル(ルトガー・ハウアー)とヨンゲリング、
それに聖母マリア(シャーロット・ランプリング)の3人だけであり
理不尽な仕打ちに泣く農民達や行商人達にはセリフが与えられていない。
元気よく遊びまわる子供たちでさえも明瞭な言葉を発しない。

唯一、スペイン軍兵士達が
「Adelante!」「Vamos!」等の短い命令口調のスペイン語を話しているが
字幕には現れないため(字幕にしなかった判断は正しい)
外国の圧政に怯えながら暮らす庶民の恐怖感も感じられる。

映画の全編、その一瞬一瞬がまるで一枚の絵画になるような
素晴らしい美しさだと思う。

でも極力抑えたセリフ回しから
絵画に込められた意味合いや時代背景等をくみ取るのは至難の業で
ブリューゲルの絵や16世紀の西欧史に興味がある人以外にとっては
退屈極まりない映画かもしれない。

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