豚小屋 ニューマスター版 [DVD]

豚小屋 ニューマスター版 [DVD]
F・フェリーニ、B・ベルトルッチ、大島渚…映像の天才たちが認めた、究極の傑作群!
待望のパゾリーニ作品がニューマスター版で復活!!

そのスキャンダラスな死から30年以上たつ今なお、
映画ファンから映像マニアまで魅了し続ける稀代の映画監督、ピエル・パオロ・パゾリーニ。
フェリーニが才能を見出し、ベルトルッチが助監督を務め、
日本では1999年の「パゾリーニ映画祭」開催にあたり大島渚が実行委員長を引き受けたという、
彼の傑作群が、いま大復活を遂げる!

◆STORY
現代と中世、交互に進行する二つの物語で構成された背徳の寓話。
中世では、火山地帯の荒野をさすらう一人の若者が次々と通りかかる人を襲ってその人肉を喰らう。
やがて“人肉喰い”の仲間も増えていく中、ついに討伐隊が派遣されてきた…。
現代では、西ドイツのボンが舞台で一人のブルジョワ青年が主人公。
その青年は美しい婚約者にも興味を示さない変わり者だったが、
ある日父親の仇敵が現れ青年の秘められた性癖が暴かれ…

◆ニューマスター版
◆映像特典:オリジナル劇場版予告編

◆ピエル・パオロ・パゾリーニ
1922年3月5日イタリア・ボローニャ出身。
詩人、小説家として名声を得たのち、1961年「アッカートネ」で監督デビュー。
「奇跡の丘」(1964年)でヴェネチア映画祭カソリック映画事務局賞を受賞。他受賞作多数。
1975年11月2日、「ソドムの市」エキストラ役で同性愛関係にあった少年により惨殺された。

(C)MOVIETIME, CINETECA DI BOLOGNA. ALL RIGHTS RESERVED.

この映画では全く違う舞台の二つの物語が同時進行します。一つはピエール・クレメンティ演じる青年が、荒涼とした砂漠を飢えてさまよいながら、だんだん捕食がエスカレートしていって人肉食をする話。もう一つはジャンピエール・レオが演じる、現代ドイツの実業家の御曹司が実は豚とセックスしているという話です。二つの話は全く別なものとして進みますが、主人公二人ともがある点において共通した悲惨な最期を遂げます。

この映画はパゾリーニにしてはわかりやすいほうと言われてますが、やはり他のパゾリーニ映画と同様、寓意をどうつなげて読むかについてはいろいろ考えさせられ、まるで神話のように何通りにも解釈できる映画だと思います。
個人的評価として★を5個つけていますが、誰にでも強引にすすめられるつもりはないです。『豚小屋』だけに限らないことですが、パゾリーニの映画でモチーフとして出てくる「変態性」や「異常性」は、何か根源的な問題を開示する手段として真面目にかつ哲学的に使われているように一応見えるのだけれども、一方で、それによって逆にそういう変態性や異常性が美化されているのではないか(そして実はそっちのほうが主眼なのではないか??)と疑わしいところがあって、人によってはそれが気分悪いと思うからです。

なお、視覚的な意味に限れば、ホラー映画ファンやエログロ映画ファンが満足するほどの猟奇シーンはありません。(同監督の作品で、扱っている内容だけでなく視覚的にもえぐいものがみたい場合は『ソドムの市』がよいでしょう。)

現代劇と古代劇が交錯する作品であるため、見始めた当初は作品の「構造」が一体どうなっているのか当惑する。次第に人が人を食うということ(文字通りのカニバリズムもあれば、資本主義経済における搾取という象徴レベルの比喩もある)にフォーカスしてゆくことに気がつくはずだ。

現代劇のほうでは元ナチス関係者と企業家の結託が描かれる。企業家自身の風采はヒトラーそのものだし、彼の演奏するハープはナチス党の音楽を奏でていたりする。そして最後のシーン。これはホロコーストを連想させる何やら悪魔的な比喩ではないか!

全体的にシンメトリックなカットが多用されており、何やら宗教画を見ているような錯覚を覚える作品。

かなり身構えて鑑賞しましたが、映像的には美しく、えぐいカットはほぼなし。

荒野のエピソードは、台詞が極端にすくなく、雄大で神話的な風景に圧倒されました。
現代(?)のエピソードは、奇妙な人物達と、左右対称がビシッと決まった構図、緊張感のある静けさが印象的でした。
そして鮮やかな幕切れ。
「シーッ」  誰にも何も言うな…  (こわっ)

全編に異様な雰囲気が漲っており(個人的には)非常に面白かった。買ってよかった。

でも実は…
どんな寓意があるのかは、わかりませんでした(爆)。
その点、解説に監督の発言が記されており、参考になります。

私の場合
「このタイトルにこの内容。よく製作できたな…」というのが素直な感想。(←しょうもない感想…)

ソフトについていうと、
予告編以外に映像特典もありませんが画質も良く、封入されている解説も簡素な造りながら興味深く読めました。
ジャケットデザインもなかなかよいです。

やったように見せて実はやってないのではないか?

「生の三部作」や、『奇跡の丘』に隠れてしまっているが、この『豚小屋』こそパゾリーニの最高傑作である。中世と現代のエピソードの交差は詩人とマルクス主義者、二つの面を... 続きを読む

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