ジョルダーニ家の人々 DVD-BOX

ジョルダーニ家の人々 DVD-BOX
そしてふたたび、大きな愛につつまれる―

イタリアのある家族の離別と再生を6時間39分にわたって描く感動の大河ドラマ
脚本は「輝ける青春」のサンドロ・ペラトリア、ステファノ・ルッリ

2012年 岩波ホールほか全国上映


ローマに暮らすジョルダーニ家は、技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。
しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人々、不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉等・・・。
一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく。
ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって―。


発売元・販売元:TCエンタテインメント

ローマに暮らす中流階級の一家の姿を通して現代イタリアの文化に触れる逸品長編ドラマ。

ものがたりの中心となるのは次男のニーノ(ワイルドなイケメン)で、彼が時に能動的にまた受動的に家族ひとりひとりの問題にかかわってゆく姿がドラマチックに描かれます。

彼らがかかえる悩みは、家族愛・不倫・同性愛・移民問題など、いずれも身近で、けっしてひとつの正解の無い問題ですが、ニーノをはじめ、それぞれが苦しみながらも答えや希望を見出してゆく後半は涙なしには見られません。

ニーノの幼なじみとのコミカルな関係も良いですね。「輝ける青春」が好きな人は是非!

イタリア放送協会RAIから4回に分けて放映されたテレビ・ドラマで、長尺ながら盛り込まれた多くのエピソードが分裂せずに巧みに織り合わされている。イタリアのどの家庭にも起こり得る事件を扱ったホーム・ドラマには違いないが、家族のあり方や、人が生きていく上での繋がりの大切さを改めて気付かせてくれる作品だ。ジョルダーニ家の人々はそれぞれが過ちを犯す。イタリアは日本に比べれば人の誤りに対しては比較的寛大な社会だが、それは人間であれば誰でも間違えるという大前提が受け入れられているからだ。このストーリーではお互いの過ちを認め合い、赦し合うことができてからジョルダーニ家の再出発が始まる。閉ざされていた家に再び明かりが燈るのは希望の象徴だ。それは以前とは全く異なった外国人を交えた家だが、偽りのない本音で生きる家庭の再建は清々しい。

また人に迷惑を掛けずに生きようとすることはイタリアでは美徳とは言えない。時には自分の恥を曝け出してでも助けを求める方が事態を好転させることが多いものだ。このドラマでも扱われているように、人に頼らず自分自身だけで問題を解決しようとすると、思わぬ落とし穴に気付かずにいることがある。もうひとつこの作品から教えられたことは、幸福らしく生き続けるよりも、不幸であることを逸早く自覚する方がその人の人生にとっては有意義だという考え方だ。少なくともジョルダーニ家では末っ子のロレンツォが事故死するまで、彼らは見せかけの幸福を享受して疑わなかった。彼の死によって家庭は箍の外れた樽のように一気に崩壊していく。しかしその家庭が予想もしなかった新しい形で再建されていく幾つかのラスト・シーンは印象的だ。

蛇足ながら、私自身イタリア人の家庭に入って、彼らの家族の団結の強さを羨ましく思った者の一人だ。それは彼らが殆んど無意識に、最終的に自分が帰属する場所が家族にあると考えているからだと思う。60年前の映画『鉄道員』でもばらばらになった家族が再び集うことがどんなに幸福であるかを鮮やかに描いてみせた。尚この作品のオリジナルの題名は、劇中子供のセリフに出て来る「飛び去って行くものもあれば、留まるものもある」からその後半をとったもので、それがジョルダーニ家のスピリットを象徴していることは明らかだ。

上映時間6時間39分という長尺物「ジョルダーニ家の人々」は4部からなる作品。東京.岩波ホールは「13時40分から3回の休憩を挟み21時15分で終了」したというが、我が家では「一挙に観てしまうと勿体ない」と、一日一部と決め、四日間をかけて観終わった。

ジョルダーニ家は技術者の父ピエトロ、元医師の母アニタ、外務省移民局で働く長男アンドレア、建築を学ぶ次男ニーノ、、心理学者で精神科医の長女ノラ、三男で高校生のロレンツォの六人家族。

なにひとつ不自由のない暮らしであったが、末っ子ロレンツォの不慮の死で、母アニタは「この家には居たくない」といってローマから遠く離れた心療施設へ、父ピエトロも「遠くの現場に移りたい」といってエジプトに赴任、長男アンドレアもフランス人の男性ミシェルと同棲、長女ノラも夫の不仲が表面化、最後まで家にとどまっていた次男ニーノも安下宿に移り、ジョルダーニ家は灯のともらない空きと家となる。

行方不明となっている娘アリナの消息を探るために、アフリカから密入国してきたシャーバを、ジョルダーニの家にかくまうことになったことから、徐々に徐々に、家の灯が点りはじめ、フォークやナイフの音が家族の絆を紡いでいく。

時代が変わっても変わらぬ“家”というものの在りようを確かめ合いながら、ジョルダーニ家のかけがえのない時間が流れていく。

原題「Le Cose che restano」は”残るもの”という意味なのだそうだが、特典映像の中で監督が、脚本には最初「家」というタイトルがついていたといい、父を演じたエンニオ.ファンタスティキーニと長男を演じたクラウディオ.サンタマリアは、映画の題名を「そこにとどまるべきもの」と変えたほうが良い、と言っていた。

どこの家庭でもありそうな、どこの家庭でも起こりそうな日常を演じたキャストたち、「家とは何か、家族とは何か」ということにいて、様々な見方や考え方を語り合っていたのだが、長女ノラを演じたパオラ.コルテッレージが「ジョルダーニ家は昔も今も港よ」という言葉が印象的であった。映画の題名を「ジョルダーニ家の人々」とした邦訳は、けだし名訳であった、ように思う。

近いうちに、もう一度、観ようと、心に決めている。

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